改めて知りたい！ ロクシタンってどんなブランド？

みなさんは「ロクシタン」と聞いて、どの製品を思い浮かべますか？ 雑誌などでよく見かける「イモーテル」シリーズや、ヘアケアの「ファイブハーブス」シリーズなど、有名な商品がたくさんある中でも、やっぱりロクシタンといえば「シア」シリーズを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか？ でもどうしてロクシタンといえばシア……？ それは創業者である、オリビエ・ボーサンが若かりし頃、世界中を旅していたときの話までさかのぼります。

植物原料とエッセンシャルオイルをベースとするスキンケアの先駆けとして1976年に誕生したロクシタン。地中海沿岸地方に伝承される植物の効能やエッセンスを追求し、伝統的な製法によって常に新しい製品を作り続けていました。

創業から間もない1980年。当時世界中を旅していたオリビエはアフリカ滞在から帰国する際、ふとした会話から西アフリカのブルキナファソの「女性しか触れることのできない神聖な木、シア」の存在を知ります。シアの実を拾い集めるのも、市場で売ることも許されているのは女性だけ。運命的なひらめきを感じた彼は、帰国便をキャンセルし、ブルキナファソへと向かいました。そこで彼は、世界最貧国に数えられるブルキナファソの女性たちの生活を、シアの木が支えていることを目の当たりにします。さらに乾燥が激しいアフリカにも関わらず、幼い頃からシアバターを塗って育ってきた女性たちは肌も髪もとても美しいということに驚き、オリビエは「シアバターを世界中に届けたい。そして女性の自立を助けたい」と大きな夢を抱きました。

これがシアバターとの出会いです。その後原材料を公正な価格での取引を行うことで、女性たちの経済的自立を支援。約30年でシアバターの生産に関わる女性は12人から15,000人までに増加し、輸出量も増えて、いまでは世界中の女性の美しさをサポートしています。

「世界中に届けたい」、そうオリビエが願ったように、1990年代にはフランスやイギリスをはじめとするヨーロッパ、そしてアメリカ、アジア、オーストラリアへと広がっていったロクシタン。シアバターにまつわる話のように生産者へのサポートを行うほか、プラスチック削減やリサイクルにも力を注ぐその企業姿勢も支持される理由のひとつかもしれません。

コスメの世界では通常透明なプラスチックが好まれていますが、着色のボトルを使用した「アロマコロジー」シリーズは、過去10年間100%リサイクルプラスチックを採用することに成功。さらに2025年までに、すべてのボトルにリサイクルプラスチックを使用することを目標にしています。それ以外にも今後、さらなるプラスチック使用量の削減や、すべての直営店でリサイクルサービスを提供することなどを目標として掲げ、「まだまだできることはある」と地球を守るため、積極的に取り組みを行っています。

ロクシタンの製品は現在世界約90ヶ国以上で展開されています。ブランドがここまで大きく成長したのは、生産者へのサポートや、地球への配慮といった「自然と人への敬愛」という創業当時から変わらないロクシタンの哲学とそれに基づいた行動、そしてもちろん、私たちを常にワクワクさせてくれるすばらしい製品があったから。

オーガニックハーブなどプロヴァンス産の原料をベースに、プロヴァンスのライフスタイルにインスピレーションを受けてつくられたテクスチャーと香りは、使うたび心地よく、いまも昔も変わらず使う人を幸せな気持ちにしてくれます。