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Inner Care】【COLUMN

2019.04.26

イボがポロリと取れた忍者のお茶。

大阪長屋の古民家に暮らし始めて早二年。この二年で時間の流れ方や物事のとらえ方がじわじわと変わってきました。今年もそんな日々の暮らしの中で感じたことと美容について(まるで古民家暮らしとは関係のないことも多々ありますが…)、気の向くままに書いていきたいと思いますのでどうぞお付き合いよろしくお願いいたします。

忍者秘伝⁉ 我が家に伝わる美肌茶

我が家には子供時代から飲み続けられているお茶がある。そのお茶は、香ばしく麦茶よりも少しだけ漢方のような風味があり、子ども時代の僕にはちょっと苦手だった。でも、我が家で作られるお茶はいつも麦茶ではなくその漢方茶であった。なぜそのお茶を飲み続けていたかというと、ある朝、母の天ぷらの油跳ねでできたイボがポロリと取れたからだ。父母が30代後半ぐらいのときだろうか。父も小さなイボがあったのだが、それもぽろぽろと取れてきたという。

そのお茶とは、滋賀県に今も現存する唯一の忍者屋敷と言われる望月家(甲賀流忍術屋敷)に遊びに行ったときに出合った忍家伝方の「健保茶」(500g ¥2,000/甲賀流忍術屋敷)だ。当時僕自身もアトピー性皮膚炎があったのだが、それもいつの間にかすべすべに治っていたのは、このお茶を飲んでいたからかもしれない。

忍者屋敷で出会った600年前から伝わる薬茶。

このお茶、なんと600年前から甲賀流忍者に飲まれていたそうだ。甲賀流の伝書に「人参活血勢竜湯」というハトムギを主とした7種類の薬草を用いた薬茶があり、「健保茶」はそれがもとになっている。忍者と言っても何もすごい忍法を使うわけではない。隠密活動をするにあたり、何よりも大切なのが自身の健康管理だ。それに、敵を暗殺したりするためにも薬草や医学に通じていなければならない。そんな忍者が毎日含飲していたのが「人参活血勢竜湯」である。江戸時代になり太平の世が訪れると、今までに培った薬草の知恵を生業にした薬の製造に携わるようになった。その望月家は明治に35年に近江製剤株式会社になり、今に至る。

そんな甲賀忍者秘伝の「人参活血勢竜湯」に配合されていた7種の生薬(ハトムギ、人参、決明子、柿葉、陳皮、紫蘇葉、茶葉)にマテ茶とウーロン茶をブレンドして飲みやすくした9種の混合生薬茶が「健保茶」だ。

 

中でも主原料になっているハトムギの効能には驚いた。イボがポロリと跡形もなくきれいに取れたのだから。ハトムギの皮を取り除いた部分をヨクイニンという。このヨクイニンは肌を整えるのに大変な力を発揮するのだ。肌は常に新陳代謝によって生まれ変わっている。これを肌のターンオーバーというのだが、肌荒れの原因は、加齢や紫外線など様々なストレスが要因となってこの肌のターンオーバーが乱れることで起きるのだ。いわば美肌の要は肌のターンオーバー。年齢を重ねるにつれて、ストレスの蓄積などによりどんどんターンオーバーが乱れ、肌の老化が加速すると言われている。それがもとによっておこるのが肌の乾燥やイボなどだ。ヨクイニンは肌の水分代謝を促進し、デトックス作用を行うことで肌のターンオーバーを正常に戻してくれ、美肌へと導いてくれる。しかしハトムギ茶だけを飲んでいた時期もあるのだが、そこまで効果を感じず、そこはやっぱり忍者の生薬の知識の賜物なのだろうか。

 

これから始まるGWや続く夏休み、もし滋賀県に行くことがあったら、忍者屋敷にもぜひ訪れて、忍者の用いた生薬の力を感じてみてはいかがだろうか?

文・写真/楠井祐介