＜私の定番名品＞ナーズ オーディシャスリップスティック

NARSには数多くの“ベストセラー”があります。コンシーラー、ファンデーション、ブラッシュなどアイテムを上げればきりがないほどですが、中でも世界中の女性たちに愛されているのが、ナーズ オーディシャスリップスティック。私がNARSを使うきっかけとなったアイテムなので、とても思い入れがありますね。

「オーディシャスリップスティック」は、現在43色揃っていて、シーズンごとに限定カラーが登場したり、ホリデーなどには限定パッケージになるなど、ブランドを代表するスターアイテムらしい“登場感”があります。世の中には、星の数ほどたくさんの口紅がありますが、なぜここまでNARSの口紅が愛されているのか。それは、『女性をひと塗りで美しくしてしまうから』。お気に入りのカラー（私は9458）を塗っていると、周りの人がほめてくれます。「今日の口紅、似合ってるね。どこの？」って。この言葉をかけられるたびに、NARSのすごさというか、NARSは女性ひとりひとりを幸せにしてくれるんだなって、つくづく納得してしまうのです。

NARSの口紅の最大の特徴は、他のブランドにはない質感と感触です。たったひと塗りするだけで、サテンのように滑らかにするするとのびる質感。この質感を一度知ってしまったら、もう虜。唇にふんわりとフィットする質感はストレスがまったくなくて、口紅を塗っていることを忘れてしまうほどの一体感です。

これだけ色が揃っていますから、似合う色が必ず見つかります。最近はブリックカラーが定番になりましたが、５年前ぐらいまではヌードカラーがお気に入りでした。年齢やトレンドなど、その時代のムードに合わせて口紅の色をスイッチすることってとても楽しいものですね。

NARSの口紅は、発色もすばらしいのですが、その発色を際立たせるための方法がいくつかあります。私は、輪郭がぼんやりしているのでナーズ ラディアントクリーミーコンシーラーで輪郭を整えます。そうすることで、リップラインが簡単に美しく見えますよ。ただ指でトントンとなじませるだけなので、ぜひ取り入れてみてください。

それと、最近お気に入りのもうひとつのティップスが、ナーズ ベルベットリップライナーで唇のラインをとり、塗りつぶしてから口紅を塗ること。リップライナーを仕込むことで素の唇との調和がとれますし、長時間色をキープすることができます。もちろん、ワンストロークだけでも完璧にフルカバーしますけど、NARSの口紅を長年使っているからこそ、いろいろティップスが増えてしまうこともあります。

口紅が好きな方ならおわかりかと思いますが、ブランドによっては、つけると乾燥してしまうものもありますよね。私は唇の縦ジワがなかなか目立つタイプなので潤いもキープできないとダメなんです。NARSの口紅は、タマヌオイルというリッチな保湿成分をたっぷり配合しているので、まったく乾きを感じません。唇の乾燥が気になるからといってリップクリームを下地につける方もいらっしゃいますが、それをすると口紅の質感やツヤに影響を与えてしまうので、おすすめできません。優秀なNARSでさえもやはりリップクリームとの相性はよくないと思っています。

創業者のフランソワ・ナーズは、口紅に対して強い思い入れがあります。“I have a real love affair with lipstick.”（僕は、リップスティックとのラブ・アフェアを楽しんでいるんだ）。1994年のブランド誕生時に、12本のリップスティックからスタートしたNARS。ブランドを代表するアイコニックなアイテムということは間違いありません。

撮影／池田 敦(Pile Driver)　文／夏目 円