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SKINCARE】【FEATURE

2019.03.13

最新の美容医療事情が知りたくて、「ハイブリッドクリニック」に行ってみた<後編>

お肌の悩みを抱えている方、美容クリニックに興味はあっても「どんなところなのかちょっと不安……」と思っている方は多いんじゃないでしょうか? そこで、今回は、2018年6月にオープンした最新の美容医療を行うハイブリッドなクリニック野本真由美クリニック銀座に直撃! 全3回の最終話です。

画像解析「VISIA」を実体験! お肌の状態を可視化して確認する。

野本真由美クリニック銀座では、希望者に「スキンヘルス診断」を行っています。肌の状態を画像で解析する「VISIA(ビジア)」と東洋医学の「気・血・水」のスコアリングをする問診により、お肌の悩みを解決するにあたって現状をしっかり把握するための診断です。

 

今回は、VISIAによる画像解析を実際に体験。解析画像を見ながら野本先生に気になること、疑問に感じたことを率直にうかがってきました。

シミやシワはあってもあまり気にしていない、お手入れらしいお手入れもしていなくて、「こんなに無頓着でいいのかな?」と。40代も半ばになったら、少しは気にしたほうがいい?

「日々がハッピーであればなにも気にしなくていいと思いますよ。シミやシワも悩んでいないなら治療する必要はありません。ただ、紫外線を浴びれば皮膚がんのリスクはあがりますし、シミがあるというのは疾患があるという証拠でもあります。

エイジングの悩みでいうと、シワとたるみは自然老化によるものですが、シミは疾患なんです。紫外線のケアをしながら、自前で潤う肌をつくると、いつまでも快適でいられるのではないでしょうか」

VISIAで撮影した画像からは、どんなことがわかるのでしょうか?

「VISIAでは、顔の正面と左右の3カットをカラー写真とUV写真で撮影しています。将来的にシミになる『隠れシミ』やシワ、開いた毛穴、ニキビの原因となるアクネ菌などの数や分布がわかり、血管が拡張して赤みを帯びているところを描出できるんです。久保さんの場合は、広い範囲に炎症が出ていますね。洗顔のあとにタオルでこすったりしているんじゃないでしょうか。更年期の『冷えのぼせ』もあるかもしれません」

足首がかなり冷えている自覚がありますし、顔が火照っているように感じることも。

「洗顔が甘くて角質が落ちていない、汚れが残っていることも弱い炎症につながっている可能性があります。自分の皮脂や角質もたまりすぎると炎症を引き起こす原因のひとつになります。

クリームやコンシーラーなどをしっかり塗っている方は顔全体にホコリや花粉がついてしまっていることもあるんですが、久保さんはホコリはそれほどついていません。それから、髪の生え際に弱い炎症がずーっと続いていますね。シャンプーがきちんと流せていなくて一時刺激性接触皮膚炎を起こしています。

上手に顔を洗えていない、きちんと流せていない、ということになるので、顔から2cm外側までを顔だと思って流してあげてください」

毛穴やシワはどうでしょうか?

「毛穴の開いているところは、通常は鼻がいちばん多いですが、久保さんの場合は、鼻に近い頬のところが目立ちますね。毛穴の開きは、皮脂が多いか、油性成分のメイクが多いか、皮膚が緩むか、肌の凹凸がすり減って平らになると目立ちます。きれいな肌の代表でもあるこどもの肌は『肌理(きめ)』と言われる肌の凹凸がしっかりあるので毛穴が目立たちません。だから、すりへるほどこすったり洗ったりしないようにすることが大切です。初診時にあまり肌理がない方でも、スキンケアとメイクを正しくすると、2か月でだいぶ変わるんですよ。

シワは、目の下に乾燥小ジワがありますね。「レチノール」というビタミンAの入ったアイテムでスキンケアをすると皮膚にハリが出てきます。ちなみに、ボトックスで解決できるのは、目尻側の表情ジワです」

自分では、肌のことで悩んでもいないし、そこそこ健康だろうと思っていたのですが、いろいろと見えてくるもの。どのような対策をしたらいいでしょうか?

「まず、洗顔とシャンプーは少量をよく泡立てて短時間で洗い、あとはよく流すようにしてください。

足が冷えて熱がのぼっているのは更年期の症状。漢方薬で改善できると思いますし、プラセンタの注射も効果があるんですよ」

プラセンタが冷えに効くんですか!? アンチエイジングや疲労回復のイメージが強かったので驚きました!

「プラセンタは、東洋医学でも『紫河車(しかしゃ)』という生薬になっています。疲れ切った状態の人、産後の体調不良や更年期の不調を持つ女性などに、昔から広く使われてきたんです」

プラセンタには、気・血・水を巡らせる作用があるということですね。のぼせを解消することで顔の炎症も収まるのでしょうか?

「改善されると思います。近年、無駄な炎症が老化を進めるということが科学的にもわかっています。日に当たらないように気をつけていても、いろいろなものをつけすぎたり、取りすぎたり、こすったりしていると、皮膚には日に当たっているのと同じように炎症が起こるんです。加えて、炎症を起こした肌が紫外線を浴びるとよりシミになりやすいので、久保さんも紫外線のケアはしたほうがいいと思います」

いままでほぼノーケアできたことは反省すべきでしょうか?

「そうとも言えません。強くこすって炎症を引き起こしていたということはありますが、じつは悩みがない人はいろんなことをやりすぎていないから、こじれていないんです。

皮膚は、上手に死んで、死んだ組織を上手に捨てられれば美しい状態を保つことができるのですが、女性は35歳ぐらいからホルモンのバランスが変わってきてエストロゲンが減少しはじめ、エストロゲンが減ってくると捨てる力が落ちてきます。

さらに下地や日焼け止めを塗って、リキッドファンデーションを塗って、メイクをすると、肌が化学物質にふさがれている状態がずーっと続きます。化粧品のポリマーや油性成分で不要な角質がいつまでも残り、上手に捨てられなくなってしまう。いろんなものを塗りすぎて、しっかり落とすためにクレンジングでこすったり二度洗いしたり、そんなことを繰り返しているうちに皮膚はどんどんダメージを受けていくんです」

先ほど、スキンケアとメイクを変えると2か月で肌理が変わると。毎日の繰り返しが皮膚を健康にもするし、ダメージを与えて老化を進めることにもなるんですね。

「スキンケアとメイクでしっかりケアをすることも、アンチエイジングの4本柱である『食事』、『運動』、『睡眠』、『ご機嫌』も、毎日の繰り返し。日常を整えることは健康を増進することにもなりますし、クリニックでたまに受ける非日常の治療を成功させる要になります。皮膚のことでも、体調のことでも、「なんとなくちょっと気にかかるな」ということがあれば気軽に相談に来ていただきたいと思っています」

「野本真由美クリニック銀座」で画像解析を受けた、ライター久保の感想は……?

「VISIAの画像解析でこすりすぎ、洗い足りない、流したりないなど、“最低限のケアにも足りていないこと”がわかったのはよかったと思いますし、数年前から悩んできた足の冷えの原因や解決法までわかってしまうとは驚きでした。

美容のことにはほとんど関心を持たずにきたわたしですが、これからは、皮膚のことも健康の一環として気にかけていきたいと思いました。隠れジミがそのまま出てきたら5年後にどうなるか、ケアをしたらどのぐらい減るかの比較画像を見せていただいて“やっぱりだいぶ印象がちがうなぁ”と感じたので、まずはかんたんな紫外線ケアははじめようと決意。さっそく、野本先生が開発された“ビューティフルスキン”のファンデーションを購入しました。ファンデーションを買ったのなんてたぶん20年ぶりぐらいだけど、ちゃんと使い続けられるかな……?」

撮影/k.w.n.y 取材・文/久保 加緒里