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SKINCARE】【FEATURE

2019.03.11

最新の美容医療事情が知りたくて、「ハイブリッドクリニック」に行ってみた<前編>

お肌の悩みを抱えている方、美容クリニックに興味はあっても「どんなところなのかちょっと不安……」と思っている方は多いんじゃないでしょうか? そこで、今回は、2018年6月にオープンした最新の美容医療を行うハイブリッドなクリニック野本真由美クリニック銀座に直撃! 全3回でお届けします。

 

「ハイブリッドな美容クリニックってどんなところ?」

「治療は、レーザーや注射が中心?」

「そもそも皮膚科と美容皮膚科ってなにがちがうの?」

 

皮膚科の基本から最新の美容医療事情まで、院長の野本真由美先生にユーザー目線でいろいろとうかがってきました。

美容機器、漢方薬、食事指導、コスメなどを組み合わせ。総合力で「皮膚」という「臓器」を健康にしていく。

「先進の美容クリニックに行ってみよう」という企画ですが、じつは取材にうかがったわたし久保自身は美容にほとんど頓着がありません。「肌が窮屈な感じがするのが不愉快」という理由でメイクもしていませんし、シミもシワもそれなりにあるもののまったくと言っていいほど気にしていません。

 

美容クリニックって、どんなところなのか。最新のクリニックではどんな治療ができるのか。ゼロからお話をうかがってきました。

 

お答えくださったのは、「野本真由美クリニック銀座」の野本真由美院長。皮膚とアンチエイジングと漢方の専門医で、アレルギー(アトピー)の治療も得意としている皮膚科医です。

基本的なことから。一般的な皮膚科と美容皮膚科はなにがちがうのですか?

「皮膚科も美容皮膚科も、『皮膚』という『臓器』を専門に診るという点は同じです。ちがうのは、皮膚科は患者さんご自身が『皮膚に疾患がある』と思って受診するのに対して、美容皮膚科はご本人が「疾患ではない」と思いながらも悩んでいるケースが多いこと。でも、よく診てみると、ほとんどの方が疾患や不調を持っているんです。

たとえば、保湿剤を塗っても塗っても乾燥するという方は皮膚の炎症が原因だったり、10年以上悩んだ肌荒れやニキビの原因が便秘だったり、イライラしていたことで顔が赤くなりやすく、シミが濃く見えてしまっていたり……。全身を診て隠れた原因を取り除いて、疾患のない健康な肌にすることを目指さなければいけないと考えています」

健康な肌をつくるには、どうしたらいいんでしょうか?

「皮膚の表面だけではなく、食事も、生活習慣も、メンタルヘルスも含めて内側から健康になることが大事ですね。

人間の身体には、もともと自然治癒力が備わっていますから、風邪を引いたときに内科に行かなくても治りますし、切り傷ができたとき皮膚科に行かなくても治ります。それなのに、こじれて肺炎を起こしたり、こじれて皮膚炎を発症したりすることがあるのは、生体側の治る力が足りなくなっているからです。ベースのところを整えて内側からも健康にしていかないと、皮膚の症状が一時的に改善したように見えても結局は元に戻ってしまいます。

皮膚も身体も『毎日の繰り返し』で変わっていることを理解していただければと思います」

美容皮膚科というと、レーザーや注射をバンバン打つイメージでしたが、それだけではないんですね。

「レーザーとか光治療のような美容機器や注射など、外からの治療ももちろんやっています。しかし、そういった外から施す治療は毎日やるものではありません。言うなれば『非日常』の治療です。

当クリニックでは、非日常の治療に加えて『日常』にも介入していく。人間の身体は口から採り入れた栄養素でつくられますから、食事の指導を行いますし、必要があれば漢方薬も健康保険で処方しています。

東洋医学では『気・血・水(きけつすい)』の3要素を巡らせることが大切で、肩こり、便秘、冷え性、むくみ、疲れやすいなど西洋医学では病名がつかないような不調、いわゆる『未病(みびょう)』を改善していきながら、皮膚をいい方向に持って行くんです」

美容医療には、レーザーや注射で「シミ、シワ、たるみと戦う」というイメージを持っていたのですが、漢方薬による「未病」の改善など、「健康」と向き合う医療なんですね。

「当クリニックでは『若く見えること』を重視するのではなく、『年相応の美しさ、肌質のきれいさを求めていくこと』を推奨しています。患者さんもひたすらに若さを求める方ばかりではなく、『乾燥するけどニキビも出る』、『生理痛があって生理の前に肌が荒れる』、『便秘がひどいとニキビができる』とハイブリッドな悩みを持っている方が多いんです。内からも外からも美と健康を追求していくのが最新の美容医療だと、わたしは考えています。

野本真由美クリニック銀座では、148種類の顆粒タイプの漢方薬のなかから症状に合ったものを処方することも。

美容クリニックを初めて訪れた、ライター久保の感想は……?

「美容医療と漢方がどうつながっているのか疑問に感じていたのですが、“皮膚も身体も毎日の繰り返しでつくられている”というお話にパーッと霧が晴れたような納得感がありました。とくに女性は40歳ぐらいからホルモンのバランスが変わってきて、いわゆる“更年期”の体調の変化や不定愁訴が増えていきます。そういったところも含めて相談できるのは、心強いですよね。食事や漢方による日常の改善と、先進の美容機器を使った非日常の治療を組み合わせて、健康な皮膚、健康な身体をつくっていく。まさにハイブリッドなクリニックだなと思いました」

撮影/k.w.n.y 取材・文/久保 加緒里

PROFILE

久保 加緒里

久保 加緒里

(くぼ・かおり)フリーエディター、ライター

1972年、東京都生まれ。輸入車を中心とした自動車専門誌の編集部を経て、1997年よりフリーランスの編集&ライターとして活動をはじめる。雑誌、PR誌、Webサイトなどさまざまな媒体で、食、インタビュー、旅、インテリア、カーライフなど幅広いジャンルの企画に携わっている。

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