薄眉の「アイブロウの色が肌にのらない」問題。

メイクで一番悩むのは？　と聞くと、半数以上の人が「眉」と答えます。眉描きに自信のある人はメイク上級者と言っていいくらい、みんな眉に悩んでいる。同じ顔でも眉の形や太さ、色が違うだけで印象はがらりと変わるうえ、眉の形には時代によってトレンドがあるから、今どきの顔をつくるのに眉型の微調整は必須です。

さらに年を重ねていくと眉の悩みに「薄眉」が加わります。（もちろん個人差があって、年齢に関係なくフサフサの方もたくさんいますが）加齢や眉のトリミングで抜いているうちに生えてこなくなったという人はとても多い。何を隠そう私の一番の悩みは薄眉です。フサフサだった眉毛も、気がつけばなぜか下側がすっかり生えなくなり、太さも長さも3分の1くらいになり、眉そのものの存在感に至っては、5分の1くらいに激減！我ながら「人相が悪くなった」とがっくり。数年前は素顔もメイクしてもあまり変わらない、と言われていたのに、今は眉を描く前と後の違いによく驚かれ( 苦笑)、眉の影響力の大きさをひしひし味わっている今日この頃です。

今は薄眉に悩む私ですが、過去に抗がん剤で眉毛が全部抜けたことがあります。その経験があって10年くらい前から、抗がん剤中で脱毛する方対象にメイクセミナーを開いていますが、皆さん眉毛の脱毛をとても怖がっています。毛のないところに眉を描くというのは結構勇気がいるものですが、描かないと不思議な顔になる。どんな風にというと、表情が極端に乏しくて「何を考えているかわかりづらい」という不思議さです。それについて少し解説しましょう。

眉、とくに眉がしらは表情筋と連動していて表情によって動きます。ムッとすれば寄って下がるし、驚いたら上がる、というふうによく動く。もちろん目も頬も口も表情で動くけれど、色の濃い眉は人の表情を強調するのです。ところが眉がないと、怒っているのか困っているのか、喜んでいるのかが分かりづらい。

そして表情が乏しくなって戸惑うのは、本人というより周りの人なのです。たとえば、相手がムッとすれば「今、失礼なことを言ったかな？」と察知して「ごめん、言い過ぎました」と謝ることができます。相手がえ？という顔をすれば「話が伝わらなかったかな」と思い、もう少し説明しようと思います。こんなふうに人は相手の表情を見て、つぎの自分の態度や行動をとりながらコミュニケーションを図るところがあります。

ところが眉がないと、怒っているのか楽しいのか、困っているのかが分かりづらいので、どう対応したらいいのか戸惑ってしまう。コミュニケーションが取りづらくなる可能性が生じるのです。これは薄眉（つまり今の私）でも似たようなことが起こります。

そこで、毛のないところに眉を描くわけですが、ここでまた問題が！じつは毛がないところはパウダータイプもペンシルタイプも眉墨の色がのりにくく、しかも落ちやすい、ということが結構あります。治療で脱毛中の肌はキメがなくなりツルツルしているのでその傾向が強いのですが、まばらな眉も毛があるところとないところで色の差ができてしまい色調整が大変です。

そこで、脱毛中で眉の色がのらない人や、色の差が簡単にカバーできるコスメがないかなと色々と試して、これだ！と見つけたのが、まばら眉の悩みにこたえるセザンヌ 太芯アイブロウです。

クレヨンタイプの眉ペンシルですが、柔らかな芯がしっかり肌に密着するのだけど、絶妙な「ぼかし」感のある自然な発色で、眉毛がないところも、まばらに生えている眉もキレイに仕上がるのです。さらに汗や皮脂で落ちにくいという優秀さ（クレンジングでは簡単に落ちます）。これで540円というプチプラは拍手モノ。色も3色あるので髪や自分の好みの色に合わせられます。薄眉で眉描きに困っているすべての人に教えてあげたい逸品です。

文・写真／山崎多賀子（美容ジャーナリスト）