お家時間が長いからこそ生まれる、新たな悩み。
新型コロナウィルスの感染予防のため、外出もできなくなり、緊急事態宣言もさらに延長の今。仕事帰りに飲みに行った居酒屋、行きつけのレストラン、やすらぎのカフェ、当たり前のように自由で楽しかった日は何だったんだろうとふと、思い出すことはありませんか? そんな中で行われているのは、Zoomなどを介して行う、ネット飲み会です。
実はここのところ、クライアントの方から相談されることが増えてきました。主に、「参加したくない。断る方法を知りたい」というものです。
かつては気が乗らない飲み会に誘われたときは、「あっ、ごめん。今日は用事があって…」とか、「残業なんだよね」「明日、仕事が朝早いから…」などと、「本当は参加したいんだけれど、残念」という言い訳のいくつかは用意できていたはず。でも今は皆、家にいる状況。仕事があると言っても「やりながら参加したらいい」と言われてしまい、さらに断りづらくなることも…。
実は以前よりもストレスがある私たち。
ではまず、現状を確認してみましょう。
・仕事をされている方は、会社の通勤時間がなくなり、以前よりハードな仕事はなくなった
・お仕事をされていなかった方も、お稽古事や外出なども少なくなった
以上のことから私たちは以前より人間関係などの負荷がかかっていないように思えます。
でも実は、見えない負担が私たちにかかっているのです。
テレビをつければ、朝から晩まで、スポーツニュースや芸能ニュースですら、常に新型コロナの話題です。思うように外出もできず、自分も感染しないように気を付けなくてはなりません。常時、身の危険にさらされているのです。これでは、ストレスがたまり、疲れ果て、鬱っぽくなっていても仕方がありません。
ここで、声を大にして言います。人からどう思われるかではなく、今は特に自分の気持ちを大切にしてください。
人によって、人とのかかわり方の優先順位が違います。人と繋がることが好きな人、自分のペースで生きたい人、人と違うことをして目立つことに喜びを感じる人。そもそも、さまざまなんです。
気持ちはすんなり、素直に伝えよう。
だからこそ、断ることもシンプルに考えましょう。「お誘いありがとう。なんだか今日はそんな気分じゃないんだ」と。
コツは、後ろめたい気持ちを捨てて、淡々と伝えましょう。だって相手を否定するわけでなく、参加したくないだけなのですから。Zoom飲みをしたい人は、したい人だけで遠慮なくやり、「ちょっと…」という人には「あーそーなんだOK」で深く考えないこと。
ソーシャル・ディスタンス(あるいはソーシャル・ディスタンシング)は日本語に訳すと「社会的距離」、つまり「人との間に距離を取る」こと。今は互いがナーバスな気持ちになるときだからこそ、気持ちの“ソーシャルディスタンス”も大切にして、また、皆で本当の笑顔で集まれる日を楽しみに過ごしていきましょう。
文/井上野乃花