みなさん、こんにちは。
大竹稽がお送りする「禅の美容室」。
肌にしみる冬の寒さが始まっています。そんな季節に、ホッと心が温まるひとときをあなたに贈れますように。
さて、一月末から二月終わりまで、世田谷区野沢にあります龍雲寺住職、細川晋輔和尚にお話いただきます。細川和尚には『人生には信念はいらない』『迷いが消える禅のひとこと』などの著書があります。ユーモラスに「美」についてお話くださる細川和尚、さて、どんな内容になりますか……。
うんちそのものより、出すことが……。
「肌がきれいだという自覚はない!」、どの和尚たちにも共通している第一声。そして、第二声が、「日々の生活の積み重ねでしょうね」。
そりゃね、お肌がきれいになりたいから和尚になったのではなく、和尚でいたらお肌がきれいになっていた、これだけですからね。
ですが、お寺の生活にはいっぱい「美」の秘訣が潜んでいるんですよ。
その一つが、「うんち」関連。
ところで、うんちが健康のバロメーターであるのは周知のところ。ですが、日々、自分のうんちをチェックしている人は、あまり……ですよね(まあ、赤ちゃんのうんちを見るくらいでしょう)。
で、これを心の面から紐解くと……?
「うんちと同じように、ストレスを溜め込まないことです。溜まったストレスを翌日にもちこさないということでしょうね」
おっと、いきなり細川和尚のユーモア全開ですね。
「本の原稿と一緒ですね。出たものについては、どのような批判がきてもあきらめています。もちろん、好評価はうれしいですけどね」
ぼくは、まだこのあたり達観できていません。『超訳モンテーニュ』が出版されましたが、やはり好評価と好販売が欲しい……(宣伝しています)。
「うんちについてとやかく言われてもしかたないですよね。大切なことは、糞詰まりにしないこと。これは心でも同じことです。ストレスは溜め込まないようにしましょう」
ストレスフリーにしようとしない・ストレスを出す機会を作っておく。
「そんなことわかっているよ。どうしたらストレスを出せるか教えてよ!」
はい、ご指摘、ごもっとも。
ぼくもこのあたりを聞いてきました。
「掃除はストレス発散になるでしょうね。でも、一度、掃除をしたらゴミが落ちてきても、気にしないことです。10分後に落ちてきても、しかたないとあきらめましょう。いつも綺麗にしていようじゃなく、掃除をする時間を決めておくことですね。お寺では毎朝、掃除をします。たとえば、玄関ですが、きれいにしたまま、だれも入ってこない玄関は意味がありません。夕方汚れているということは、人が来たということですからね」
お寺の朝の掃除の時間は、始まりの時間でもあり、リセットに時間でもあるようですね。
わたしたちの心は、毎日、傷ついたり、喜んだり、悲しんだりします。そのほうが、生き生きとしている証なんですよね。ストレスフリーにしようと、来るものを拒む玄関は、生きていない玄関なんですよね。
「傷ついたりして溜まったものは、出せばいいんです。その時間を作りましょう。わたしたちは、掃除のほかに、坐禅やお経もアウトプットの時間でしょう。みなさんの生活の中では、散歩や読書でもいいと思います。パチンコや競馬でも、適度なものであれば、アウトプットの時間となるでしょうね」