台湾在住の元雑誌編集者妻とデザイナー夫とその家族(娘2人、猫3匹)が、台湾のビューティ事情と日々の暮らしにとりいれたメイドイン台湾(MIT)コスメをご紹介する当連載(ちなみにタイトルにある美妝はメイクアップ、美容はスキンケアを意)。
漢方薬局が作った漢方歯磨き粉って?
就寝時、私は口にテープを貼って寝る。それだけで睡眠の質は確実に変わるし、体内の環境だって悪くならない。さらに気持ちのよい歯磨きをした後ならなおさらのこと。
最高な歯磨きに欠かせない逸品が、当連載の第1回目にご紹介した例の「西太后パック」を発売している漢方薬局「生元薬行」にある。生元薬行オリジナルブランド「生元草本」の歯磨き粉だ。
虫歯を予防するのではなく、口をスッキリさせるためでもなく、歯茎を健康にすることを目的に誕生した、漢方入りの歯磨き粉。フッ素も発泡剤も人工色素も人工香料も使用せず、本場の生薬たっぷりでつくられている。塩やミント系の爽快感と漢方の奥行きが絶妙に混在していて、使っていてとっても気持ちがいい。歯磨き粉好きの夫はもちろん、歯磨き粉初心者の長女9歳も、歯磨き粉が苦手な私も今や手放せなくなった。
歴史を紐解けば歯磨き粉が生まれる⁉︎
生元草本はユニークで特別なブランドだなと思う。だって、生元の商品のほとんどが歴史に残る製法にヒントを得て開発されているから。この固歯膏もそう。清の時代、つまり今から約400年前に陳修園さんという歯科医が残した処方箋をベースに昇華させたのだそうだ。
陳修園さん、ありがとう。我が口腔内爽快なり。今宵もテープを貼って寝るとするか。
(文/MAO IKEDA)
洗面所のドアを開けたら、そこは台湾の漢方医。
台湾でぜひ体験していただきたいのが漢方医の診察。
白衣を着た先生は、しずかに脈を測ります。
『ん〜、脈が若干早いですね。』と先生。
そ、そりゃそうですよ!! 初めての診断でちょっと緊張していますからね!と言いたくなる気持ちをんぐっ!とおさえて、先生の質問に2、3答えたらサラサラ〜ッと書かれた処方箋を受け取って、同じ漢方医にある薬局コーナーへ差し出します。
薬局では、何十とある引き出しから原料を引っ張り出して、削ったり叩いたりすりつぶしたり。ほのかに香る漢方臭に、古人の知恵への恩恵とロマンに想いを馳せます。同時に『もう治ったかも。。。』と、処方された漢方を飲んでもいないのに、場の雰囲気と漢方臭だけでそう思ってしまうのは僕だけでしょうか。
そんな漢方医の臨場感をもあじわうことができるこの「固歯膏」。パッケージは漢方の原料が入った引き出しをイメージしてデザインされています。底の穴に指をかけてすっと引き出せば、現地の漢方医にテレポーテーションしたかのよう。キャップを開けて、漢方臭を感じながら歯ブラシを奥に手前にゴシゴシしてみてください。もうすでにあなたは台湾へ旅していることでしょう。さあ、今日も台湾へ行ってらっしゃい!
(写真・文/Omijika Mame)
Check!【ブランド情報】
生元草本
ホームページ&ショッピング:https://sheng-yuan.com
路面店:台北市大同區南京西路181號
電話:+86-2-2555-5070
文/写真 MAO IKEDA & OMIJIKA Mame