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MAKEUP】【COLUMN

2020.07.31

化粧は人生の再起動スイッチを押す

マスク生活で化粧も生活もオフモードになっている。

つい先日、友人の女性経営者とのメールのやりとりで、「オンラインで済むことはオンラインでしょ。接客もマスクなので口紅を塗らなくなり、朝の化粧がかなり雑になった」、という話題になりました。「だよね~」と私。たまに電車に乗る日以外はノーメイク。近所には日焼け止めと保湿を兼ねた肌色の化粧下地に眉をちゃちゃっと描くのみ。誰も見ちゃいないし、化粧なんてめんどう、くらいに思いかけていた。

実際にマスクに隠れる口紅やチークの売り上げが激減して、メーカーさんは大変だけど、このご時世だもの、化粧のテンション上がらない人も多いのでは。

ところが彼女のメールには続きがあった。「ただ娘は、この範囲しかメイクを楽しめないからと、何種類ものブラシを使ってせっせとアイメイクしているの。これも新しい化粧スタイルなのかもね。若いっていいね~」。と、その時はそれで話は終わった。

化粧の高揚感は自分のスイッチチェンジの瞬間時に起こる。

それから数日後、久しぶりに美容セミナーの仕事に出かけるためにフルメイクをしたとき、忘れていた化粧の高揚感を味わった。「あ、今、私にスイッチが入った!」と息を吹き返した思いがしたの。

化粧の高揚感とは、自分のスイッチがオンに切り替わるときに起こるもの。

鏡の中にいる素顔でくつろいだ自分の顔が、徐々によそ行きに変わっていく。メイクしながら、「今日は〇〇さんたちとミーティングだから、眉は少し濃いめにしようかな」とか、「ランチ会だからチークは可愛めにしておこう」とか、思いを巡らせる。これから行く場所や会う人、なによりその場にいる自分の姿を想像し、演出するように、ヘアメイクを仕上げていく。

鏡の中の自分と向き合う化粧の時間が、家にいる自分からよそ行きの自分へ、心地よい緊張感とともに切り替えてくれる。「よし、行くぞ!」と安全な部屋から外へ出る自分の背中を押してくれるものが化粧という行為。ずっと人にそう伝えてきたのに、この数か月の巣ごもり節電モードでまんまと忘れていたわ。

コロナ禍は続く、だからそろそろ再起動しませんか!

さてこの半年、ずっとオフになっていたのはメイクだけじゃない。体型も、仕事もすべてにおいて緊張感ゼロ。こうやってぼやーっと一生を暮らすのも悪くないと思ったけど、メイクで我に返った。コロナ禍はまだ続く。ならばそろそろ再起動しなければ。

まずはメイクをする日を増やして気持ちを外へ向ける。体型も外出仕様に引き締める。そして仕事とも積極的に向き合おう! 新しい生活を充実させるための緊張感を取り戻そうと思う。

これまでの経験で知っている。人生にオフの時期も必要だけれど、人はいつでも、いくつでも再起動はできる。ようは再起動するかしないか、どちらを選んでも、それが自分の人生になっていくってこと。

■人生を再起動させる3つのDO!

1.近所でもいいので、できるだけ外出する時間を作る(まずシチュエーションを作る)

2.外出前に手抜きではないスキンケアとメイクをして「よそ行き顔」になる(鏡の中の自分をオフからオンへ切り替える)

3.仕上がったヘアメイクを鏡で確認し、好きな人に会った時を想像して表情を作る(これでよそ行きメンタルになる)

 

文/山崎多賀子 イラスト/にしだきょうこ