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COLUMN】【Inner Care

2020.04.20

本来の性格も影響する、生理前の不調や更年期症状の大小。

恐れず、前向きに!女性ホルモンとのつき合い方Part.3

女性の一生は「女性ホルモン」と深い関係があります。生理が始まり、閉経を迎えるまで「女性ホルモン」のバランスが身体と心に大きく影響。肌や髪の美しさを保つ働きがありますが、生理トラブルや自律神経の乱れ、子宮の病気の原因にもなります。メリットもあり、デメリットもありの「女性ホルモン」。どうつき合っていくべきなのか? 婦人科医の成城松村クリニック院長、松村圭子先生におうかがいしました。

松村圭子(まつむら・けいこ)医師
成城松村クリニック院長 広島大学医学部卒業後、大学病院勤務を経て成城松村クリニックを開院。月経トラブルや更年期障害など、女性の不調や疾患の治療を行う。「女性にやさしいクリニック」を目指し、看護師、受付もスタッフは全員女性で構成。安心して相談できると評判を呼び、地方から訪れる患者も多い。クリニックでの診療のほか雑誌やweb等のメディアでも活躍し、著作も多数。https://www.seijo-keikoclub.com/
松村圭子(まつむら・けいこ)医師 成城松村クリニック院長 広島大学医学部卒業後、大学病院勤務を経て成城松村クリニックを開院。月経トラブルや更年期障害など、女性の不調や疾患の治療を行う。「女性にやさしいクリニック」を目指し、看護師、受付もスタッフは全員女性で構成。安心して相談できると評判を呼び、地方から訪れる患者も多い。クリニックでの診療のほか雑誌やweb等のメディアでも活躍し、著作も多数。https://www.seijo-keikoclub.com/

PMSや更年期症状は、もともとの性格も影響。

女性ホルモンはバランスが大事。しかし、生理のサイクルや年齢とともにそのバランスは変化をし、さまざまな不調がわたしたちを悩ませます。

「生理前の不調『PMS(月経前症候群)』は、生理前の女性ホルモンの急激な変化が関係しています。イライラしたり、落ち込みやすくなったり、眠気やだるさ、胸のハリ、肌荒れ、むくみ、便秘など、人によっていろいろな不調があり、症状の軽さ、重さにも個人差があります」と松村圭子先生。

その個人差には、女性ホルモンのバランスの変化だけではなく「もともとの性格や環境などの要素も影響しているのでは?」と松村先生は考えます。「完璧主義者であったり、職場などで常にプレッシャーがある人は、ストレスにさらされやすく、イライラしたり、落ち込みやすい傾向があります。そして、それは更年期にもあてはまります」(松村先生)

 

40代後半になると女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」の分泌が激減倦怠感やめまい、不眠などのほか、薄毛やシワ、シミなど美容面でも老化のサインが現れます。「若さに価値観を置いて、そういう変化を受け入れられない人は、更年期の症状も重くなりがちです」(松村先生)

生理前なら“今はそういう時期”とやり過ごし、更年期も“若いときと同じようにがんばらなくていい”ぐらいのラクな気持ちで、無理をしないことも大事です。

現代女性に増えている、乳がん・子宮体がん。

昔の女性に比べ、妊娠・出産の回数が少なくなっている現代女性。「生理の回数が増え、子宮や卵巣が休む暇がありません。そのために、女性ホルモンが関係する、乳がんや子宮体がんにかかる女性が増えています」(松村先生)

リスクがあることを理解した上で、定期検診を受けるなど、自分の身体のチェックを心がけましょう。

更年期以降は、女性ホルモンに守られていた体が無防備に?

血管や骨、関節、脳などの働きを守る役割がある女性ホルモン。更年期で、その分泌が大きく減少することで、いくつかの病気のリスクが高まります。

「骨粗しょう症や高血圧、動脈硬化といった病気のほか、内臓脂肪がつきやすくなります。だからこそ、自身の身体の変化をきちんと理解することが大事。カルシムやたんぱく質をしっかり摂るなど、食生活を見直したり、運動をして筋肉をつける習慣をつけましょう」(松村先生)

 

たとえ病気のリスクはあっても、自分の身体や心がどう変化をするのかを知っておけば、先回りをして予防ができます。

女性ホルモンを知ることは、女性が自分の人生を考える上での助けになります。

 

写真提供・文/小林賢恵