台湾在住の元雑誌編集者妻とデザイナー夫とその家族(娘２人、猫３匹)が、台湾のビューティ事情と日々の暮らしにとりいれたメイドイン台湾(MIT)コスメをご紹介する当連載（ちなみにタイトルにある美妝はメイクアップ、美容はスキンケアを意）。
シュタイナー教育と竹ヘアブラシの関係とは？
シュタイナー教育では「９歳の危機」「ルビコンを渡る」という言葉で９歳を表現する。ルビコンとは古代カエサルが「賽（さい）は投げられた」という言葉とともに決死の思いでルビコン川を渡ったとされる話になぞらえ、幼少期にしかいられなかったファンタジーの世界（夢の世界）から飛び立ち、別れを告げる９歳の姿を形容したものである。
自分と他人、光と陰などに目覚めながら、絶対的な愛の存在だと思っていた母親でさえ他人である、と気づく時期。まさにその真っ只中にいる長女４年生であるが、笑ったり甘えたりものすごく傷ついて泣いたり喜んだりと忙しい感情や、カタチが変わっていく身体を見ていると、なんとも愛おしく時に寂しくもなる私である。
なぜシュタイナーのことを書いたか。その理由は２つある。
１つは彼女は今、他人をきちんと意識した光磨きに余念がないという現状ゆえだ。例えば、長女も私もドネーションをするために髪を伸ばしている件。今までもずっと洗面台にヘアブラシを置いていたのにも関わらず、全然髪の毛に手をかけていなかった。ところが９歳になってから、自ら率先してヘアブラシで梳かしだしたのだ。身だしなみが劇的に変わった。
その長女愛用ヘアブラシは、私が近所の激安な雑貨屋さんで購入した台湾産の竹製ブラシだ。ブランド名は「Straw man」……。いろいろなところで目にするブラシなのだが、調べてみても全くブランド情報が出てこない。これじゃ、ブランドが掲げる製品のこだわりが書けない……というのがシュタイナーの話を長々書いてしまった２つ目の理由である。
使いたくなるヘアブラシ、どこが違うの？
こだわりは書けないけれど、使用感なら書ける。我が家のStraw manは竹シリーズの中でも櫛の多い一番大きなタイプ。櫛の部分まで竹でできていて変な静電気や摩擦がおきないし、手入れも楽。頭皮へのマッサージとしてポンポンとしても気持ちいい。使えば使うほど、自然な天使の輪ができていく。これは長女の髪の毛で実証済みだ。長くて黒い髪が毛先まで艶やかで生き生きとして見える。なぜ彼女がこのブラシは使うのかというと、きっと軽いから。軽量だから子どもでも梳かしやすいのだ。買ってよかった。ああ、そうか。使いやすいから使うのか。そんな当たり前のことに気づかせてくれ、使いやすさを実現しているいいブラシなんだ。
自分の髪をなんとかしたいと思って買ったブラシだけど、ヘアブラシを朝習慣にした長女の髪に見惚れるだけ。自分はぜーーんぜん梳かしてないじゃん。そろそろ我が髪にも天使の輪を！
（写真・文／MAO IKEDA）
眼精疲労に竹ブラシ。はい、本当です。
妻が購入した竹ブラシ。ぱっと見、ごくごく平凡的なよくあるブラシ。しかし何気なくブラシの真ん中あたりをぐいっと指で押したとき、低反発まくらが戻るようなグネグネ〜ッとブラシ部分が波打つ姿を見て「このブラシ只者ではない」と感じたのです。
まずハンドル部分からして、絶妙にフィットするフィーリング。僕の女子サイズの手でも大きすぎず小さすぎず、サッと握れます。またブラシと取手のつなぎ目のさりげないくぼみに親指がすぽっと自然に収まるようになっており、このくぼみが本当にちょうどいい。
竹のブラシのピンの先端部分は球状になっていて、ずっと使い続けていても頭皮が痛くなりません。これはもはや頭皮マッサージャー。スーッスーッと梳かすだけで頭皮がどんどん気持ちがよくなっていくのです。
2〜3分ほどブラシをしたら、髪はサラッと視界はスッキリ。髪はサラッとするのはわかりますが、なぜ視界がスッキリするかと申しますと、頭には足裏の次にツボの数が多いといわれており、頭皮のマッサージは眼精疲労や肩こりなどに効果的なんだとか。とっても優秀なこのブラシ、パソコンの近くに常備してあったら最高。コスパも最高なので、家族全員一本づつあっても意義なしの一品なのです！
Check！【ブランド情報】
銓鴻百貨有限公司
電話：＋86-4-2563-2988
写真・文／MAO IKEDA & OMIJIKA Mame