大阪長屋の古民家に暮らし始めて早二年。この二年で時間の流れ方や物事のとらえ方がじわじわと変わってきました。今年もそんな日々の暮らしの中で感じたことと美容について(まるで古民家暮らしとは関係のないことも多々ありますが…)、気の向くままに書いていきたいと思いますのでどうぞお付き合いよろしくお願いいたします。
男性より女性の方が頭皮が傷んでいる事実。
前回、頭皮ケアの即効アイテムとして椿油を取り上げさせていただいたのだが、妻にはもう一つ頭皮ケアに欠かせないオイルがあるので、今回はそちらをご紹介したいと思う。
意外にも男性より女性の方が頭皮が汚れていることが多いというのはご存知だろうか。女性に比べ男性は皮脂量も多く、女性の方が男性よりずっと髪をいたわってケアをしているので、一見清潔そうに感じる。しかしながら毎日のセットをするのにヘアワックスなどを多量に使ったり、カラーをしたりパーマを当てたりと髪や頭皮へのダメージは相当なものだ。それに頭を洗う時も髪ばかりに気を取られて、頭皮まできちんと洗えていないことが多いそうだ。そもそも男性に比べてはるかにロング率も高いので、頭皮まできちんと洗うのは至難の業らしい。市販のシャンプーやトリートメントには髪の絡みを防ぐためにシリコンが多く含まれるものも多く、男性よりも多量に使うので、落とし切れなかったそれらの成分が汚れとして毛穴につまるそうだ。そして仕上げはドライヤーでさらにダメージをあててしまう。それらが原因となり、髪が弱って細くなったり抜け毛や白髪が多くなったりしてしまうそうだ。そんなことを教えてくれた知り合いの美容師さんが進めてくれたのがSHIGETAの美髪ブレンドエッセンシャルオイルであるミッドナイトラスター(15ml ¥5,000・税別/SHIGETA)だ。
希釈なしで使える驚きのエッセンシャルオイル
SHIGETAとは、パリで多くのセレブリティ達を顧客に持つ日本人セラピスト、Chico Shigetaさんが2006年に立ち上げたブランドだ。そのプロダクツはすべてパリ市内の自社ラボで開発され、植物の力を最大限に活かし、毎日簡単にセルフケアできるように考えられている。いろいろなSHIGETAのプロダクツを試したわけではないのだがこのブレンドエッセンシャルオイルに出会ったときは驚いた。
エッセンシャルオイル(精油)とはそもそも何であろうか? それは植物の花や実などの様々な部分にある天然液体を蒸留することで集めた天然純度100%のオイル成分だ。ここには香りの他、植物のもつ様々な力が凝縮されている。植物は動くことができないので、様々な外敵から身を守る成分を持っている。それを集めたのが精油だ。そんな植物の力を人体に取り込んで薬理療法として確立したのがフランスで生まれたアロマテラピーだ。アロマと聞くといい香りがしてリラックス効果があるとすぐイメージしてしまうのだが、フランスでは自然療法として医療目的に医師の処方箋の元で使われることも多い。
植物の力を凝縮した精油であるが、なぜSHIGETAのエッセンシャルオイルにそんなにも驚いたかというとその使用方法だ。普通、精油は肌に直接つけてしまうと刺激が強すぎて赤く腫れたりかぶれたりしてしまうので必ずキャリアオイルで希釈して使う必要がある。ところがSHIGETAの精油は、様々な精油をブレンドすることで、その刺激となる毒素成分をうまく打ち消し合うように配合されている。だから希釈なしでダイレクトに体に届けることができるのだ。このミッドナイトラスターには美しい髪に導くための12種類もの精油がブレンドされている。毛髪の成長を促すローズマリーをはじめ、肌の老化を防ぎ、活性させるフランキンセンスやミルラ。それに皮膚の炎症を抑えたりする効果を持つケードはフランスの皮膚科医もよく使う。このブレンドエッセンシャルオイルを妻は洗髪後にタオルドライをした頭頂部に2滴ほどたらし、髪の生え際に沿ってゆっくりとマッサージをしている。頭頂部には“チャクラ”という、気の入り口があり髪を健康的にするだけでなく、身体全体の気の巡りもよくなるそうだ。そしてなによりこのオイルでマッサージすると体がホカホカと温まってくるそうだ。希釈せずに使うだけとあって香りは少しきつく感じるが、スッと頭に入ってきてとても爽やかだ。僅か2滴ほどだけなのに、部屋中がその香りで満たされる。妻にとっては、そのヘアマッサージのひと時は髪をいたわるだけでなく、仕事で溜まった疲れやストレスをリセットしてくれるスペシャルケアの様だ。そして僕はその香りだけご相伴にあずかって癒されている。
文・写真/楠井祐介