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COLUMN

2020.04.15

「夜10時~夜中2時がお肌のゴールデンタイム」は、夜更かしへの脅しだった!

「夜10時~夜中2時に寝ていないと美肌になれない」と、皮膚科医から言われて納得したものの、疑問を抱くように…。

30年くらい前、初めて皮膚科医に取材した時にも言われた。「夜10時から夜中2時の間は肌のゴールデンタイムだから、ちゃんと寝ていなくては……」と。若くて知識不足の私は、「なぜなら、成長ホルモンが分泌される時間帯だから」と説明されて、ふ~ん、そうなんだと納得した。そして、その後しばらくは、お肌のゴールデンタイム説を信じていた。が、いつの頃からか、その説ってホント? と疑問を抱くようになり、違うのでは!? と思うようになった。そして、25年くらい前、別の皮膚科医に「夜10時から2時が肌のゴールデンタイムというのは違います!」と断言されて、とっても納得した。

成長ホルモン分泌のピークを迎える時間帯、というのが、この説の根拠。

夜10時から夜中2時の間が肌のゴールデンタイムとされたのはなぜか。ビューティサイエンティストの岡部美代治氏に教えてもらった。

岡部美代治 おかべ みよじ ビューティサイエンティスト・化粧品開発コンサルタント
岡部美代治 おかべ みよじ ビューティサイエンティスト・化粧品開発コンサルタント

アルビオン在籍中からさまざまな女性誌や美容誌で、科学的な知識に基づく的確でわかりやすいアドバイスが話題に。美容に携わる編集者やライターの厚い信頼を得て、取材に講演に人気。美容情報を発信する「ビューティサイエンスの庭」を運営。

 

「この説の根拠となったのは、ゴールデンタイムに成長ホルモンが分泌されるという説。成長ホルモンは健康維持や肌が生まれ変わるターンオーバーのリズム、細胞の活動に関与していて、美肌づくりに大きく関係していると考えられています」。そのため、この時間帯に寝ていないと肌は老化するとも言われたことから、ゴールデンタイムの睡眠は美肌づくりに不可欠とさえ言われたりもしたのだ。

「でも、成長ホルモン分泌のピークとなる時間は人それぞれ違うし、また、毎日同じ時間帯でもないんです」とおっしゃる。

成長ホルモンが分泌されるのはいつ?

「眠りについて間もなくから増え始めて、就寝後1~3時間でピークを迎えるといわれています。だから、何時に寝ようと成長ホルモンは分泌されるんです」。

それなのに、22時から2時が成長ホルモン分泌のピークとされたのはなぜだろう。

「それは多分、夜中に成長ホルモン分泌のピークを迎えるという平均値から出ているんじゃないかと思います」。

この説の基になったデータは、正確無比ではないようだ。きちんとしたデータをとるには、計測するほうもされるほうもとんでもなく大変。だから、ある意味、この説は仕方ないことなのかもしれない。

自分の生活リズムに合ったゴールデンタイムを見つけることが美肌づくりのカギ

「美肌づくりのカギは、規則正しい生活リズム。生活リズムが乱れていると、疲れが残ったままになったり、ストレスが解消されなかったりして、美肌どころか体にも悪影響を及ぼします。毎日同じ時間に就寝するのは難しいでしょう。でも、少しでも同じ時間帯に寝るように意識することはできるんじゃないかな。自分の生活リズムに合ったゴールデンタイムを見つけることが、美肌づくりの秘訣になると思いますよ」。

毎日同じ時間に寝て起きるのは難しいけれど、寝る時間と起きる時間をある程度の範囲に収めておけば成長ホルモン分泌のピークもそうブレない。さらに岡部さんは

「夜10時から2時の間に寝ていないと美肌になれない、肌は老化する! というのは、夜更かしや乱れた生活リズムに警鐘を鳴らしているようなもの。そのくらいに考えておけばいいんじゃないかと思います」。

 

取材・文/N・ピギー