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BODY CARE】【COLUMN

2020.06.10

生やすか剃るか。ムダ毛の美意識は国によってこんなに違う!

ムダ毛に対する意識は日本と欧米でずいぶん違う。

状況がどうあろうと季節は廻ります。木々の緑が深くなる6月は、夏服への衣替えの時期。これからは素肌の露出が増えますが、そうなると気になるのが“ムダ毛”のケアです。

実は、何をもってムダ毛と言うかは、生まれ育った国の文化によって違います

たとえば日本では、女性の顔のウブ毛はムダ毛ですが、ヨーロッパやアメリカだと「カミソリで顔を剃るなんて信じられない」と言う女性が多いのです。

顔のウブ毛は剃らなくても、アンダーヘアはケアする、が欧米女性の身だしなみ。

顔のウブ毛は、英語で”peach fuzz”とも言います。直訳するなら”桃の綿毛”、言い得て妙ですね。白人女性のウブ毛は、桃の毛のように金色で目立たないので、伝統的に剃る必要がないと考えられてきたのです。

その一方で、ワキや足のムダ毛の処理に関しては、欧米は日本より進んでいました。背景にあるのはファッションの変化。20世紀にノースリーブやミニスカートが流行したのをきっかけに、見える部分を剃るようになったのです。

さらに、水着のビキニが流行すると、ビキニライン(Vライン)のムダ毛を処理をする美意識が生まれ、次第にVIO(デリケートゾーン)のお手入れへと範囲が広がりました。

顔のウブ毛は剃らなくても、アンダーヘアはケアするのが、欧米女性の身だしなみというわけです。

日本では江戸時代から、カミソリで顔を剃るのが美人の基本。

対する日本はその逆で、江戸時代からずっと、カミソリで顔やうなじのウブ毛を剃るのが垢抜け美人の基本でした。真珠のようなツヤ肌が理想だった日本女性にとって、ウブ毛剃りは白粉のノリをよくする上でも欠かせなかったのです。

当時は既婚女性が眉を剃り落としていた時代。顔の毛を剃ることに、みんな抵抗感がなかったんですね。

数百年に渡って、顔のウブ毛には気を配ってきた日本女性ですが、VはともかくIOゾーンのお手入れに関しては、平成になるまで表だって話題になることはありませんでした。

「江戸名所百人美女 芝神明前(部分)」豊国画 安政5年(1858) 国立国会図書館所蔵
「江戸名所百人美女 芝神明前(部分)」豊国画 安政5年(1858) 国立国会図書館所蔵

グローバル化の流れで、ムダ毛の美意識は世界共通になるかもしれません。

ところが10年位前から、日本でもVIOのお手入れが注目されはじめました。

背景にあるのは、レーザー脱毛や光脱毛などの技術の進歩。最近では、若い女性だけでなく、将来介護される側になった時の手間を省くために、脱毛を希望する年配の女性も増えてきたとか。

逆にアメリカでは、カミソリを使った顔のウブ毛剃りやワックス脱毛が、ここ数年、新しいトレンドとして紹介されるように!

世界中の美容情報がSNSで拡散される現在、ムダ毛の美意識はボーダーレスになってきたようです。

ムダ毛のお手入れの第一歩は、顔のウブ毛剃りから。キレイに剃ってツルスベ肌になると、ファンデーションのノリがよくなるだけでなく、肌の透明感もアップします。そして大切なのは剃った後。化粧水や乳液でしっかり保湿するのを忘れないでくださいね。

 

写真提供・文/山村博美