＜連載小説＞大人だって、わからない

彼女が切り出した別れを、そのまま受け入れた。思いやりのようで、なんのことはない、僕自身が楽になりたかったのだ。（最終話）

2019.10.28

お母さんも、お父さんも、私の心も体も何もかもムチャクチャになればいいとさえ思った。（第16話）

2019.10.21

お母さんにもう二度と会えないんじゃないかと思った。怖すぎる空想だった。（第15話）

2019.10.14

お父さんは笑っているのに、声はどこか怖い感じがした。お母さんの顔がさっと白くなった。（第14話）

2019.10.07

朝、お母さんは家に帰っていなかった。次の朝も、お母さんは帰ってこなかった。（第13話）

2019.09.30

私のお父さんは目立つ。髪が女の人みたいに長い。それなのにヒゲがたくさん生えている。（第12話）

2019.09.24

母の影を拒むことで精一杯だった。母の心の内を、人生を、わたしは知ろうとしていなかった。（第11話）

2019.09.17

この年になって初めて母に歯向かった。が、心はまったく晴れない。それどころか鉛を飲んだ気分だ。（第10話）

2019.09.09

二十歳、わたしはチャンスを掴みかけた。でも、母はそれを許さなかった。（第9話）

2019.09.02

母に哀れみを感じた。しかし、母の顔色を気にして生きてきたわたしも母の同類だ。（第8話）

2019.08.26