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MAKEUP】【COLUMN

2018.11.24

ある日突然、赤色に魅せられて。

5年ほど前、古民家に住みたくなった僕は、働いていた東京を離れ、故郷大阪に戻った。そして祖父母が暮らしていた長屋と呼ばれる古民家に住むことにした。そこで暮らして見えてきたことをつづっていこうと思う。

赤という色の持つ力を考えてみた

秋から冬にかけての赤色の木の実をよく見かける。一方、自然界で多い花の色は白、黄、青で赤い花は意外と少ないらしい。花は虫によって花粉を運んでもらう。でも、虫の目から見たら赤は認識できない。これが赤い花が少ない理由だそうだ。一方、木の実は鳥になどによって種を運んでもらう。鳥の目は人間と似た色の認識感覚を持っており、赤がすごく目立つようだ。

 

なぜ急にこんな話をしたかというと、数年前“赤”という色の持つ魅力に取りつかれたからだ。東京に住んでいたとき、小田急沿線に住んでいたこともあり、よく片瀬江ノ島駅まで自転車を持っていき、江ノ島から葉山の一色海岸までサイクリングをしていた。真夏のにぎやかさとは打って変わり、秋から初夏にかけては穏やかで海がキラキラと輝き、お気に入りのサイクリングロードだった。特に目的地の一色海岸、葉山の御用邸の真裏にある海岸には、砂浜の他に芝生に覆われた丘があり、その上に座りながら夕日が沈んでいくのを見るのがなによりも好きな時間だった。そんなある日のこと、いつものその丘に、赤色のワンピースを着た女性が佇んでいた。空の青と海の碧、芝生の緑に相まって、その赤い服を着た女性があまりにも輝いて見えたことを今でも鮮明に覚えている。

差し色としての赤で、ぐっと華やかさがアップする

赤は女性を魅力的にさせる最大の武器だと思う。でも、赤い服を着るのは結構勇気のいることだと思うし、ましてや毎日着ることなんてできないだろう。そこで、シンプルな服を好む妻に、赤い傘をプレゼントした。妻は、白、ネイビー、カーキ、黒などをベースにした大人のシックカジュアルを目指している。洗練されてかっこいいと言えばそうだが、少し華やかさに欠けてしまうのも事実だ。

ここに一点、赤色の小物を投入する。靴だったり、傘だったり、バックだったり……。それだけでぐっと印象的なスタイルに変わった! なんだか妻がいつもに増して美しく見えた。赤という色は、シンプルな色に囲まれてこそ、その力を発揮すると知った。木の実も、海辺に佇む赤い服の女性も緑や青の中の差し色であったからこそ、ハッとされられたのだろう。

もちろん、小物でなくったっていい。ネイルを赤にしてみるなんてのも一つの手だと思う。何気ないしぐさの時にふっと見える指先。このふっと見えるというところも、より素敵と印象づけるのに効果的なのかもしれない。

赤なんて王道すぎるといわれるだろうが、この夏、ネイルオイルやカラーベースコートなどのネイルアイテムで人気のukaから、赤にこだわったネイルuka red study one(各10ml ¥2,200・税別/uka)が登場した。王道でいながら、あえて改めて赤のラインをだすほど、赤は女性にとってなくてはならない色だからだろう。王道の赤から、青みがかった赤、ボルドーのような深みのある赤まで全6色。一言で赤と言ってもそのニュアンスはいろいろで、自分の肌の色や好みや気分に合わせて選べるのがうれしい。

妻はよくフレッシュな赤である「2/1」を足の爪に塗っている。赤のネイルは発色しにくいらしいが、これは一度塗りでもきれいに色が乗るそうだ。それに速乾性でムラなく簡単に塗ることができるのもポイントだ。美容液成分が入っているので、塗る度に爪が健康になっていくのもいい。足に塗ると普段の生活でなかなか目にすることは少ないが、ヨガなどをしているときにふと目に入ってくる時にすごく幸せな気分になるそうだ。赤は、人の視線を集めるだけでなく、自分をも元気づけてくれる特別な色だ。自分の赤を持てば、きっとその魅力は何倍にも輝くはずだ。

 

今日もまた趣味のサイクリングをしていると、ふと赤色の木の実が目に入った。深い緑の葉にたわわに実った赤い実、そのあまりにもの美しさにハッとした。

文・写真/楠井祐介