今日は5月最後の日曜日。梅雨真っ只中の台湾から、COVID-19（新型コロナウィルス）にまつわる台湾の今をお伝えします。でも正直、ニュースやSNSでもうコロナの話はうんざりという方が多いかもしれません。そこで私たちの会話で隣国台湾を知っていただくのが一番いいのでは、という話になりました。
台湾と日本で、伝えるための会社OMIJIKAを営んでおります池田真央、夫のmameとの会話を以下に書かせていただきます。
日本在住の外国籍の人もサポートする日本ってすごい！
池田真央（以下、妻）：（新型肺炎対策本部である中央感染症指揮センターからのLINEを見ながら）
えーと、5月31日現在、台湾の新規感染者はゼロ、海外からの帰国者をのぞけば台湾国内での感染は50日連続ゼロ。総感染者は442人だそう。
mame（以下、夫）：最近ようやく活気を取り戻した感じがするね。IKEAでは入場制限が出たりしたよ。
妻：台湾ではロックダウンがおきていないからねー。経済的な打撃は日本より少ないのかもしれないけれど、それでも閉店される飲食店もけっこうあったね。
夫：ほんと。ほんと。コロナでお客さんが来ないから、友人のお店はこれを機にuber eatsやfood panda（台湾版uber eats）を始めたんだけど、売り上げはそこそこ。むしろ忙しさと経費がぐんと増えたらしくて泣いてたよ。
妻：行政院（内閣）の発表によると、新型コロナウイルスの影響を受けた事業者や個人に対する救済措置のうち、現金給付部分は252万人、累計488億台湾元（約1,740億日本円）に達しているってね。でも私たちも彼も外国人だから、助成や保証の対象外…。日本はその点、日本在住の外国籍の方もサポートするのだから、そこはすごいと思った。
夫：たしかに！
マスクをアプリで管理していた台湾。
夫：それにしてもどこ行ってもシュッシュッの消毒液と食器洗いゆえのこの手荒れ。何とかして欲しい。子どもにいつも言われるのが、パパの手はガサガサしてて痛いんだって。
妻：それは世界中の方が困っているのでは…!? ここ最近の進展として一つ目が、中央感染症指揮センターは今まで特定の対象者だけに実施してきた自費の新型コロナウイルス検査を、今後は希望すれば誰でも受けられるようにするって発表したことよね。
もう一つは、ずっと政府が買い上げてアプリで管理してきたマスクを、6月1日からはわれわれ民間が海外輸出も国内販売もできるようになること。個人がマスクを海外に郵送する際の数量、郵送回数などの制限も撤廃されるしね。
夫：マスクをアプリで枚数を管理して、確実に買えるってすごいよね。さすがにおじいちゃんおばあちゃんたちはアプリで買うのは難しそうだったけど、忙しいお母さんとかアプリで買えるのは確かに助かるんじゃないかな。夕方まで仕事して帰りに薬局行ったら、今日の分は売り切れですって言われたら、こんな悲しいことないもんね。
妻：今は十分にマスクが行き渡っているし、国内感染が１ヶ月以上出ていないけれど、それでも台湾政府は10月1日から中国台湾間の飛行機や船などの行き来を再開する方針だって発表だったね。
夫：そう。そう。台湾政府は動きがスピーディだよね。コロナの対応もマスクの対応もそうだしね。
ダメだったら、叩かれてショボンとする感じではなくて、快方するまでとことんやる感じかも。
うまくいったら、叩かれないのを知ってるから。
経験や知識を活かす台湾の国民性。
妻：以前SARSを経験している台湾の危機感に加えて、特に今回は台湾という国の副総統・陳健仁が感染症の専門医でいることも、対策責任者である陳時中部長もお医者様であることも大きかったのではないかな。
夫：そうかー。。。経験や知識を活かすのも台湾の国民性なのかもしれないなぁ。一つのことを極めるっていう考えもいいけど、今回のコロナで、いろんなことができるようになるってことも大切なんだなぁと思ったよ、僕も。
妻：うんうん。長庚大学、長庚医院、中央研究院、国防部予防医学研究所、オックスフォード大学のチームが、新型コロナウイルス感染者から25のヒトモノクローナル抗体を探し出すことに成功したって言うしね。順調にいけば年末には抗体医薬品を市場に並べられるかもって。あーーーーーー、もうこんな時間！ 「路～台湾エクスプレス～」（台湾の公共テレビ公視が日本放送協NHKと共同制作したドラマ）が始まっちゃう！ 早く台湾と日本がまた行き来できるように祈りながら見てくるわッ！
撮影・文／Omijika Mame 池田真央