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COLUMN】【Inner Care

2020.05.20

【最高の眠り】体温と光調整で叶う快眠法

自粛生活でできる健康&美容対策の鍵が「睡眠」。

自粛生活期間に「健康や自分自身と向き合う時間」にすると、腹をくくった人も多いのでは? ここで「眠り」を知って生き方の達人になろう!と、睡眠のプロ広島国際大学の田中秀樹先生にお話をうかがいました。

田中秀樹(たなか・ひでき)さん 広島国際大学健康科学部心理学科教授 山口県生まれ。広島大学大学院修了。博士。専門は睡眠学, 精神生理学。睡眠改善インストラクター、睡眠健康指導士養成に従事。地域や学校などで睡眠改善技術を指導。NHK『ためしてガッテン』『クローズアップ現代』『きょうの健康』などに出演。近著に『ストレスチェック時代の睡眠・生活リズム改善実践マニュアル』(全日本病院出版会)がある。
田中秀樹(たなか・ひでき)さん 広島国際大学健康科学部心理学科教授 山口県生まれ。広島大学大学院修了。博士。専門は睡眠学, 精神生理学。睡眠改善インストラクター、睡眠健康指導士養成に従事。地域や学校などで睡眠改善技術を指導。NHK『ためしてガッテン』『クローズアップ現代』『きょうの健康』などに出演。近著に『ストレスチェック時代の睡眠・生活リズム改善実践マニュアル』(全日本病院出版会)がある。

睡眠は「能力発揮」「魅力発揮」の源です。

――そもそも睡眠とはなんですか?

「睡眠とはズバリ、『能力発揮』『魅力発揮』の源です。心地良く眠りにつき、スッキリ目覚め、その日やるべきことに集中できる心身を整える睡眠が、現代人にとっての最高の睡眠だと考えています」

睡眠には3つの役割がある。

――では最高の睡眠を得るためには?

「睡眠には主に3つの役割があります。

1.脳のクールダウン 2.心身のメンテナンス 3.翌日への備え さらに、最高の眠りは肌を美しくし、やる気を起こさせる働きがあります。その鍵の一つが数々のホルモンです。

睡眠中に分泌される主に2つのホルモンが見逃せない。

――具体的にどのようなホルモンが鍵になるのですか?

「睡眠中には、『成長ホルモン』『コルチゾール』などのホルモンが多く分泌されます。

『成長ホルモン』は寝付いてから3時間の深いノンレム睡眠中に集中して分泌され、体の成長や修復、肌の皮膚細胞の再生、疲労回復に重要。

また、やる気を起こし、免疫をアップさせる『コルチゾール』も睡眠中に分泌されます。これは睡眠の後半に向かって分泌量が増加し、朝の起床時に最も多く分泌され、一日の活動への意欲に関わっています」

笑ってはすまされない睡眠トラブルの落とし穴。

――では、睡眠トラブルで起こるマイナス面とは?

心身の健康悪化リスク、人間関係のトラブル、注意や集中力、作業能率の低下、ミスやヒヤリハット(危ないことが起こるも幸い災害には至らなかった事象)、転倒や骨折などの事故の増大などです。

皆が身体的不安を抱える今、睡眠をしっかりとって自分自身が健康を守ることがより大切になってくるのではないでしょうか」

【最高の眠り対策1】頭寒足熱を心がける。

――ぐっすり眠れないけれど、この時期病院の睡眠外来にも行きづらく…

「セルフケアでも、良い眠りを得られますよ。まずは、『体温』と『光』を意識しましょう。

快眠のためには、脳が興奮してない、 手足の血行がよく熱放散しやすい、 深部体温が低下しやすい、つまり頭寒足熱が大切だということです」

【最高の眠り対策2】寝る1時間前は照明で光調整を。

「パソコン,スマホなどのブルーライトは、脳を興奮させたり、『メラトニン』という睡眠ホルモンを抑制するので、寝る1時間前は照明を半分に落としたり、間接照明を活用してください。朝の光や食事は生活リズム整えるのに効果的です!」

【最高の眠り対策3】夕方以降の居眠りは避ける。

湯船に浸かりリラックスしましょう。体温も少し上がることで、その後の体温下降をスムーズにし、快眠につながります。バスタイムを上手に利用すれば快眠スキンケアも可能に。

また、20分程度の短い昼寝は脳の疲労回復に効果的ですが、夕方以降の居眠りは遅寝や睡眠悪化、睡眠不足につながりますので極力避けましょう」

 

ここを深掘り!

こんな時期こそ、体としっかり向き合いたい。「頭寒足熱」「体温」「光」を意識し、まずは今夜から、ぐっすり眠ることから始めたいと思います!

 

取材・文/三尋木志保