個人や企業のコンサルタントを行う筆者が、彼らとかかわってきたなかで気づいた化粧品の力。それは、人生をシフトするきっかけにもなるほどのものだった⁉ 自分の人生、自分が主役‼ こんな厳しい状況でも次への一歩の背中を押してくれるストーリーをお届けします。
パートナーと一緒に在宅勤務生き残るために。
新型コロナの影響で在宅ワークが多くなり、休日も外出を控えるこの状況。必然的にパートナーや家族と一緒にいる時間が増えますね。あんなにずっと一緒にいたいと思っていた気持ちが懐かしいほど、殺意すら覚えたという方もいるようです。
イライラの原因に潜む「べき」。
私のクライアントの方たちから聞こえてきた、それぞれのお宅で問題になっていることをまとめてみます。
「家にいるにもかかわらず、彼は、なにも手伝おうとしない」
「彼は私に対して優しい言葉がけがない。思いやりが足りない」
「彼はマスクもしないし、手洗いや感染対策や危機管理に対してゆるい」
「彼は時間があるのに育児に参加しない」
実はこれらの不満には、価値観が眠っています。
「家にいるのなら家事も手伝うべき」
「彼は私に優しい言葉をかけるべき」
「彼は、感染対策に注意を持つべき」
「育児は彼もやるべき」
怒りは自分が信じている「べき」が裏切られたときに生まれる。
結局、頭にくるときは自分の「べき」が実行されなかったときなのです。
たとえば、クライアントのY子さんのご相談です。Y子さんは、どうしても会社に通勤しなくてはならず、ビクビクしながら会社に行ったのに、自宅にいる彼から「あれ買ってこい、これ買ってこい」という電話。本来、「お疲れ様とか、気をつけて帰ってきて」を先に言うべきじゃないの?と頭にくるし悲しくなるし、このまま彼と暮らしていけるか心配です、とのことでした。
そこで、私はY子さんのご主人とは仕事でもお会いすることがあったので、Y子さんの了解のもと、私が仲介に入る形で彼にも話を聞きました。
彼の言い分としては、「感染しないためにも、外に出ているのだから買い物してくるべき」と主張。急に彼女が怒り出したから、「気を付けて帰ってね!」を言えなかったそうです。
この話はふたりの共通点もあります。「互いに感染しないように気を付けようということ」です。
「べき」の違いを埋めてみると、2人の絆が強くなる!
今こそ、ひとりひとりが助け合って、力を合わせて、誰もが経験したことのない事態を乗り越えていくとき。それなのに、互いの「べき」ばかり主張して喧嘩になっていては本末転倒です。
そのためにも、3ステップで考えてみましょう。
【STEP1】自分の怒りの下にあった「べき」を探してみましょう。怒りの下には、必ず“べき”があります。
【STEP2】思い通りにならなかったけれど、彼(相手)の「べき」も探してみましょう。
【STEP3】互いの「べき」の違いを理解して、違いを埋めていくことを考えてみましょう。
先ほどの例でいったら、「彼も感染を避けることを考えていた。だから出かけたときに買い物した方が良いと思っただけ。私のことを心配していないわけではなかったんだ。そして私は彼に優しくしてほしいんだな」
別れの理由の常套句「価値観の相違」に潜んでいる「べき」。
「価値観の相違」は男女の別れの理由として一般的ですが、自分と相手の「べき」が理解できるようになると、相手の気持ちが見えてきたり、自分の心の癖に気づきます。
また何より、「わかってほしい」と依存的になるのではなく、「こうしてほしい」とか、「その態度は悲しかった」と主張することを、勇気を出して言ってみてください。大切な彼や相手にあきらめず関わることで、筋肉のように自分の心も彼との関係も絆が強くなるものです。
文/井上野乃花