みなさん、こんにちは。今日はどんな一日になりそうですか?
大竹稽がお送りする「禅の美容室」。
目がくらむように過ぎ去る時間からちょっと抜け出し、立ち止まってみましょう。道ばたに咲く花の美しさに気づくかも……そんなコラムになりますように。
開幕に登壇するのは、群馬県桐生市にあります崇禅寺の岩田真哉和尚。初回から第四回まで、岩田和尚による「禅の美」のヒケツをお伝えします。
崇禅寺の岩田真哉和尚
「家は心の様子を表す」とはよく言ったものでして、すっきりときれいなお寺には、それなりの和尚が住んでいます。「身体は心の様子を表す」、つまり、身体の美は心の美の表れ。このあたり、様々なジャンルの方が言っておられますが、「心」という見えない世界から禅に注目し、禅僧の言葉に耳を傾けてはいかがしょう。
ところで、あなたは禅を体験したことありますか? 坐禅会とか、法話会とか、いろいろありますが……。
禅は「ZEN」として、すでに海外で大注目されています。わたしはフランスの雑誌の翻訳もしていますが、あるフランスの女性誌では「ZEN」を美容と健康の秘訣として毎号取り上げています。フランス人にとって、禅とは和食、茶道や華道の根本、そしてその人自身の生き方と、とらえられているようです。
心が荒れている人はお肌も荒れている。
心は身体に現れる。心が荒れている人はお肌も荒れます。心がきれいな人はお肌もキレイだと思います。「心のリズムが整っていると、それが見た目にも表れる」と、岩田和尚は話します。では、「心のリズム」ってなんでしょう?
岩田和尚曰く「禅でリズムといえば内なるリズムのことです。内なるリズムとは心のリズムのこと。心のリズムが整っている人は、心が荒立っていません。いっぽう、リズムが悪い心はざわついていて、それを取りつくろうしかありません」と。
心のリズムを整えるのためには、何に気をつければいいのでしょう?
「心のリズムは呼吸のリズムに現れます。ゆったりと落ち着いた呼吸をしていますか? あくせくしたせわしい呼吸をしてないですか? まずは、自分の呼吸に注意しましょう。呼吸のリズムが整っていれば血液の流れが整い、おのずと美肌や健康につながります。結果、心のリズムはお肌のリズムなんですよ」
そう話す和尚のお肌はたしかにきめこまやかでキレイ……(写真では、ちょっと伝わりづらいですが)。
禅から化粧品の選び方を学ぶ⁉
先の「リズムが悪い心はざわついていて、それを取りつくろうしかない」という言葉にわたしはひっかかりました。とりつくろう…それはゴマカすということ、美の対局のようで、もしかしたら化粧品にも通じるのでは?
「まず、あなたの身体が本来の美しさをもっていることを信じましょう。そんなポテンシャルを引き出すものが、本物の化粧品でしょうね。化かすようなものは避けたほうがよいです」
まさか、禅僧(しかも岩田和尚は男の中の男)から化粧品の選び方アドバイスをいただけるとは……⁉
禅は奥深そうです。
文・写真/大竹稽