みなさん、こんにちは。
大竹稽がお送りする「禅の美容室」。
五月になりました。薫風の季節ですね。都会ではあまり風の匂いの変化を感じられませんが、田舎ですと、風にのってくる自然の香りに癒されます。
さて、今回から、横須賀にあります満願寺のご住職、永井宗直和尚に登場していただきます。永井和尚には、『無心のすすめ』『禅の坊さんもぼやく。そして学ぶ』 など、たくさんの著書があります。
ここでは、書籍では編集上どうしてもカットされてしまう、永井和尚の人柄や趣味なども交えて、「心を美しく保つコツ」をお伝えしますね。
抵抗する気持ちが心をヨレヨレにさせる。
「心って見えないよね。見えない心でもんもんとするより、自分がどのように行動しているかを振り返ってみるといいですよ」
「心を見せてください」と聞かれて、あなたはどうしますか?
これこそ、一休さんと屏風の虎のトンチ話のキモですね。屏風の虎によって動かされ
るものは、縄(縄でしばってくれと一休さんは殿様に無理難題だされます)ではなく、
私たちの心なんですよね。
そのような私たちの心、手にすることはできない心は、行動に表れる、というところでしょう。そして、私たちが日々、どのように行動しているかが、心に影響するんですね。
嫌な仕事をさせられているとき、心もイライラしています。
楽しい時間を過ごしているとき、心も楽しんでいます。
心の美しさ、ハリのある心を持つコツを伝えるのが、このコラム。で、和尚はどのように行動しているのか、そしてどのように、心の若さを保っているのか? そこんところが大事ですよね?
「面倒なこと・苦手なことを受け入れてしまうんだよ。『いやだいやだ』と、面倒に抵抗ばかりしていると、あなたの心がヨレヨレになってしまいますよ」
『必ず達成』という目標を立てない!
面倒って、あなたにとってどういうものですか?
「面倒は面倒くさい。できれば、面倒はさけたい」
「相手に面倒をかけたくないし、自分も面倒をかけられたくない」
「面倒はムダ!」
さて、これまでの禅僧たちにも共通している話があります。それは……
「面倒はかけ合うもの」
永井和尚も同じですね。ただ、この先から、ぐっと気楽で楽しい話になっていきます。
「でもね、『必ずやらなきゃ』なんていう気持ちでいても、心がシワシワになってしまうよね。心はつねに、フレッシュでいよう。大きな目標ではなく、小さな目標を大事にする。自分が一つ、がんばれば達成できる目標、これまでよりもう少し頑張ろうという目標、それが小さな目標だよね。小さな目標は、きっとあなたの一日を、豊かにしてくれますよ」
面倒なことから逃げない。勝手に「やらない」「できない」と決め込まない。
あなたにできる小さな目標。それを続けていきましょう。ある日、振り返ってみると、あなたは、とてつもないことを達成しているはずです。
さて、次回は「ワクワクする心」についての話を紹介しますね。
文・写真/大竹稽(思想家、教育家)