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FEATURE

2020.01.29

唯一無二の存在 美容家IKKO『人生、美の格言』

IKKO美の格言グランドフィナーレ~その五の1~「心の呪文 大丈夫、大丈夫」

いよいよIKKO「人生、美の格言」も大詰めです。私の濃厚な人生の大切なエッセンス「恋愛」についてお話しします。

恋愛に悩んでいる方が少しでも楽になってくれたら‥‥‥。

IKKO(いっこう)
1962年福岡県出身。高級美容室「髪結処サワイイ」で8 年間修業の後、ヘアメイクアップ アーティストを目指して独立。数々の雑誌の表紙をはじめ、テレビCM、舞台等のヘアメイクを通してIKKO 流「女優メイク」を確立し、絶大な信頼を獲得。幼少期から抱えていたコンプレックスを乗り越える事により、生き方学を身につけ、世間から多大なる共感を得る。現在は、美容家として活躍する傍ら、そのセンスを活かして振袖をはじめ、様々な商品開発、執筆や講演、音楽活動などにとどまらず、プロデューサーとしても活躍の場を広げている。さらに、韓国観光名誉広報大使に任命され「2009年ソウル観光大賞」をはじめ、数々の賞を韓国で受賞するなど、活躍の場は海外にまで広がっている。
IKKO(いっこう) 1962年福岡県出身。高級美容室「髪結処サワイイ」で8 年間修業の後、ヘアメイクアップ アーティストを目指して独立。数々の雑誌の表紙をはじめ、テレビCM、舞台等のヘアメイクを通してIKKO 流「女優メイク」を確立し、絶大な信頼を獲得。幼少期から抱えていたコンプレックスを乗り越える事により、生き方学を身につけ、世間から多大なる共感を得る。現在は、美容家として活躍する傍ら、そのセンスを活かして振袖をはじめ、様々な商品開発、執筆や講演、音楽活動などにとどまらず、プロデューサーとしても活躍の場を広げている。さらに、韓国観光名誉広報大使に任命され「2009年ソウル観光大賞」をはじめ、数々の賞を韓国で受賞するなど、活躍の場は海外にまで広がっている。

若いあなたへ、恋せよ乙女❤恋は女の美容液よ。

もしもこの世に「恋」がなかったら、世界はどんなに味気なくつまらないものになっていたかしら。若いあなた、もう若くないあなたも、恋はしなきゃダメ!なぜなら、恋は女性を美しく成長させるものだから。

私にもいくつかの恋の経験があります。辛くて苦しい恋のほうが多かったかもしれません。私が20代、30代のころの日本は、まだ自分のセクシュアリティーについてカミングアウトする時代ではありませんでしたから、好きな人がいても、恋の匂いもさせずにただそばにいただけ、という経験もしました。好きな人に気持ちを伝えられないって、苦しいわよね。

ある女性に「どうして恋をした方がよいのですか?苦しいだけの恋愛はもうしたくないんです」と相談されたことがあります。恋愛中の恋人同士って、真剣に向き合うでしょう。片方が冷めてきても、もう片方は相手を見てたりする。また、ラブラブな時を過ごしたり、感情をむき出しにして互いを罵り合ったり、何気ない彼の一言や仕草にキュンと有頂天になったり、プライドもなにもかも否定されてズタズタに傷ついて、相手も傷つけたり。

そういう生々しい感情と向き合うことで、人は大きく成長すると思うのです。だから傷つくことを恐れないでほしいの。傷つくことも、重要です。そうやって物事を見抜く力を蓄え、人を見抜く審美眼を養うの。

誰かを心底愛し抜いたという経験。それだけで人生は豊かに、深く濃くなります。

まだ若いころ、お付き合いしていた彼に「君にはグレーというものがないね。この世には、白と黒だけで片づけられないものがあるんだよ」と、言われたことがありました。自分の価値観だけで生きてきた私に、愛する人が本気で教えてくれたこと。何に対しても白か黒か、ストイックに突き進めなくては気が済まない私に、大切なことを教えてくれました。その彼とはお別れしたのですが、これだけは自信をもってきっぱり言い切れます。私は彼のことを本気で愛しました。一人でもいい、誰かを心底愛し抜いたという経験があるということ。それだけで人生は豊かに、深く濃くなるのです。

失恋したり、させたり、そういう経験を重ねて優しい人になれる。人の心の痛みが分かるようになる。そういう経験のある人は、50歳を過ぎたころ、瞳の奥に深く優しい光を宿すことができると思うの。

なにより恋をすると男性も女性も見違えるほどキレイになるでしょう! 素敵な恋愛をいっぱいしましょうよ!

自分を愛せない人は、人を愛することはできません。

恋の話から、今度はもう少し突き進んで「愛」について。私は物心ついた時から、コンプレックスを抱えて大きくなりました。「私の人生、誰かに愛されることなんてあるのかしら」と、10代のころからあきらめの境地で心に傷を抱えて上京したのです。

そんな私ですが、たくさんの方たちの愛に支えられて、コンプレックスを乗り越え、武器にさえしています。それは私が自分を信じて来たから。自信はなくても自分を愛するということ、つまり自分の心の声に正直に生きてきたから、助けてくれる人、愛してくれる方たちに出会うことができたと思います。

美の道を極めたいと日々生きているのも、一所懸命に仕事をするのも、自分を愛する事とイコールだと思っています。ただ、私は自分にサディスティックなところがあるので、実は自分を愛することが難しい面もある。でも、どんな時も自分を信じ、その時その時を精一杯生きていきたい。ただね、自分を愛することと、甘やかすことは別。

自分を愛するとは、自分という一人の人間を認め、理解し、励ましたり、時に叱咤したりすることです。自分の体に気を配り、素敵なもので環境を整えることもそのひとつ。美容やファッションもその延長にあります。自分を愛せないと、人を愛することができないとはそういうことなのです。

恋したり、愛したりするのはだからこそ難しいし、苦しい。そしてそれゆえに美しいのです。

「衣食住」を徹底的に整えると見えてくるものがあります。

私の濃厚な人生に必要不可欠なのが、人生の節目節目に出会ってきた素晴らしいモノたちです。人との出会いに助けられ、今の私があります。それと同時に幼いころからカルチャーショックを受けるほどのモノや香りに触れ、ご縁あって手に入れたものを愛用してきたことが、私の生き方を豊かにしてくれました。

ここではそうしたモノについて、ご紹介します。

私は、「衣食住」を徹底して整える生活を送ってきました。なぜなら「善きこと」というものはポジティブで美しい場所にしかやって来ないと思うから。人が自然と集まってくる人然り、繁盛しているお店は清潔で感じがよく、明るいエネルギーに溢れていますよね。

私も着るもの、食べるもの、住むところに徹底的にこだわるようにしてから、気持ちが整って自然とチャンスが巡り、良い運気に乗れている気がしています。

いいモノを着て(値段にこだわらなくてもよいのです。自分が今できる範囲のモノで、ただ、きちんと洗う、アイロンをあてるなど、お手入れをちゃんとすること)、美味しくて身体によい食事を摂り、お掃除の行き届いた部屋に住む。このように生活を整えると、その人の「オーラ」が輝き出します。「あの人といると何故か前向きになれて、いいことの連鎖が起きている」と思ってもらえるのです。

チャンスや運気というものは、もともと持っているものではなく、自らつくりだすもの。黙って待っていても来るものではありません。幸運の女神様に気づいてもらうためには、光るオーラがないと、ダメ。そのために必要なのが衣食住、つまり生活の基盤を整えることです。

私が美と健康やコスメ、着物などの装いにこだわり抜くのもそうした環境に自分を置いて、より良い自分になりたいと思っているから。そしてなにより大好きなモノに囲まれていると、ポジティブになり、リラクッスもできて、素晴らしいパフォーマンスや生き方に通じるのです。

 

※IKKO美の格言~その五の2~は、明日30日更新予定。いよいよ最終回です!

撮影/宮﨑貢司 メイク/高場佑子 着付け/高橋惠子 ヘア/菊地好美

取材・文/三尋木志保