緊急事態宣言も徐々に解除されはじめ、自粛生活も少しずつ緩和。でも、まだ旅行するのも難しい。そんなときも大活躍するのが入浴剤! ということで、今回は本格温泉気分を味わえる入浴剤をお試し。評価は超個人的なので悪しからず、でも自信あります。
お手軽だけど本気温泉を味わえる「温泉入浴剤」で旅行気分を満喫!
自宅温泉で、もっとも大切なことは入浴剤の選び方。香り、色、湯ざわり、湯上りの肌状態などがいかに再現されているかで温泉気分がぐっと変わります。今回は肩こり、腰痛、冷え性などの効能がうたわれている3入浴剤をお試ししました。
前回の発汗系入浴剤のときと同様、胸下ぐらいまで39度のお湯を入れて30分以上じっくり入浴。
様々な温泉物質が入っている温泉入浴剤。それらの物質がお風呂を傷めてしまうことも。注意書きを読んで、入ったらすぐに浴槽を洗うことをお忘れなく。
温泉入浴剤ランキングNO.1の極上湯「別府温泉 薬用 湯の花」
今回最も温泉感が高かったのが村上商會の「別府温泉 薬用 湯の花」。別府温泉(明礬温泉)一帯は地下30cmほどのところに温泉脈があり、中でも強烈な温泉噴気孔の上に湯の華小屋を建て、温泉成分を再結晶させたのがこの湯の花。この地ならではの製法で国の重要無形民俗文化財にも指定されている正に本物の温泉です。
10パックのティーパック状の温泉の素には10gも湯の花が入っています。本来なら160ℓの湯量だと59gの湯の華を溶かすそうですが、浴槽を保護するために、使用は1パックを厳守。ティーパックのままお湯につけて軽くゆするとだんだんと薄茶色の温泉に。お風呂の底に残留物がたまらず、そのまま捨てられるのも便利。鉄のような温泉の香りが浴室に立ち込め一気に温泉気分に引き込まれました。
さっぱりとした湯ざわりで、肌はキシキシとした感じ。39度のお湯では汗は出るものの吹き出さず、長時間つかっていられます。上がるとすべすべの肌に。さらに、尋常じゃないぐらいにお腹がポカポカ。その保温効果は無期塩類が皮膚のたんぱく質と結合して膜を作るからだそう。脂肪や汚れを乳化して洗浄する効果もあるので、すべすべ肌になったのかも。ただ、温泉成分が強めなのか結構浴槽に成分がつくので、入浴後は、浴槽に色がつかないようにすぐに洗うのがいいでしょう。でもそんな手間をものともしない温泉気分を味わえました。
別府温泉 薬用 湯の花[医薬部外品]10パック ¥1,000・税別 1回当たり¥100(村上商會)
<超お風呂好き楠井的評価:5点満点>
■香り4 ■温泉感5 ■コストパフォーマンス5 ■総合満足度5
1300年の歴史を誇る名湯を再現「カメ印 自宅湯原料」
日本三大古湯のひとつであり、名湯として名高い有馬温泉。有馬温泉は法的・技術的な様々な制約のために現在は天然湯の花を薬用入浴剤に入れることができません。そこで温泉分析書のイオン組成に基づいて研究に研究を重ねて作られたのが、吉高屋の「摂津 ありまの湯 カメ印 自宅湯原料」です。有馬温泉には含鉄強食塩泉の「金泉」と、炭酸泉・ラジウム泉の「銀泉」があります。今回は「金泉」をお試し。
袋を開けて出てきたのはなんとピンクのパウダー。湯船にさーっと溶けると、茶褐色の濁り湯・有馬の金泉! この色は鉄イオンが酸化することで起こるそうですが、酸化鉄はお風呂を傷めるので、同じような効能がある無色の硫酸鉄水和物を配合し、色はカラメルや食品添加物で調合しているそう。
湯ざわりはすごくさっぱりとして、香りもそれほどありません。塩化ナトリウムや鉄分は配合されていますが、塩分と鉄分を多く含む含鉄強食塩泉ほどの鉄の香りやしょっぱさは感じませんでした。ただ、じわじわと汗が出てくる感じが心地いい。それに有馬温泉のような濃い温泉成分の温泉にある肌にピリピリとした刺激も。あがるとポカポカ具合がすごい。肌もしっとりすべすべに。小学生の頃は祖父に連れられて毎年のように訪れていた有馬温泉。コロナ禍が落ち着いて少し遠出が可能になったら、今度は本物を味わいに行こう。そんな湯比べもまた楽しそうです。
摂津 ありまの湯 カメ印 自宅湯原料[医薬部外品] 5包入り ¥1,000・税別 1回当たり¥200(吉高屋)
<超お風呂好き楠井的評価:5点満点>
■香り3 ■温泉感4.5 ■コストパフォーマンス4 ■総合満足度4.5
ドラッグストア系なのに温泉気分高し!噂の「湯素 白華の湯」
ドラッグストなどでも売っているカジュアルな温泉入浴剤、アース製薬の「湯素 白華の湯」。温泉を模して作られたわけではないのですが、温泉具合が高いとの噂を聞き選びました。
炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムを配合した弱アルカリ性の温泉で、白く輝くなめらかな“硫黄の湯”を追求して作られたそうです。
キャップに指定量の粉末を入れて湯舟に。みるみる白く濁り、憧れの秋田の秘湯・乳頭温泉郷の鶴の湯の混浴露天風呂を想像しながら…。硫黄の温泉を目指したからにはもう少し硫黄の香りがした方がより温泉気分が高まるような気がします。しかし肌はしっとりツルツルに。古くから「美人の湯」と知られるアルカリ性温泉の魅力を存分に味わえました。湯上りもポカポカです。
湯素 白華の湯[医薬部外品] 600g ¥980・税別 1回当たり¥65(アース製薬)
<超お風呂好き楠井的評価:5点満点>
■香り3 ■温泉感4 ■コストパフォーマンス4.5 ■総合満足度4
より温泉気分を楽しむために…。
「せっかくの名湯が自宅で簡単に楽しめるのだから、もっと温泉気分に浸りたい」。そんな思いで実際に僕がおこなっている自宅温泉の楽しみ方を紹介します。
- 浴室内の電気を消して、間接照明などで入る
- 露天風呂気分を味わうため自然環境音楽を流す
僕が使っているのは「Water Sound」という無料アプリ。雨の音や浜辺の音、小川のせせらぎなど水の音を組み合わせて聞くことができます。
3.窓があれば開けて風を通すと、さらに露天風呂気分に。
もっと、温泉宿に泊まったような気分を味わいたいなら、休日に朝風呂温泉を楽しむこと。そして炊き立てのご飯に、魚を焼いて汁ものをつける。夕食は到底真似できませんが、これぐらいならなんとか。それも大変なら、温泉地名物のお取り寄せはいかがでしょう。別府・明礬温泉なら、温泉の噴気で蒸した岡本屋の「地獄蒸しプリン」。炭酸泉の銀泉も湧く「有馬は炭酸せんべい」でおなじみですが、日本のサイダーの発祥の地、有馬八助商店の「ありまサイダー てつぽう水」を湯上りに飲むのもおすすめです。
撮影・取材・文/楠井祐介