大阪長屋の古民家に暮らし始めて数年。だんだんと時間の流れ方や物事のとらえ方がじわじわと変わってきました。今年もそんな日々の暮らしの中で感じたことと美容について（まるで古民家暮らしとは関係のないことも多々ありますが…）、気の向くままに書いていきたいと思いますのでどうぞお付き合いよろしくお願いいたします。
去り行く夏と、少しずつ訪れる秋を人里離れた京の奥地で味わう。
『清滝の水汲みよせてところてん』
と松尾芭蕉も句によんだように、京都・嵐山の奥にある清滝は美しい水が流れる涼やかな地だ。その自然の美しさに魅せられ、徳富蘆花が失恋の傷をいやし、与謝野鉄幹・晶子も逗留（とうりゅう）したという。今でも夏になると川遊びやバーベキューなどで多くの人でにぎわうが、夏も過ぎる9月にもなると人もまばらになる。この時を待っていましたとばかりに清滝までサイクリングに出かける。
まだまだ暑さの残るこの季節。涼やかな清滝はサイクリングにはもってこいだ。途中、桂離宮の隣にある和菓子屋さん「中村軒」によって名物の麦代餅（むぎてもち）を買う（嵐山の「鶴屋 寿」のさ久ら餅もおすすめだ）。
清滝に着くと、愛宕山を少しハイキングして水汲み場に向かう。そこで汲んだ水を川辺までもって降り、お湯を沸かして野点（のだて）をする。大自然に囲まれたロマンあふれる地で味わうお茶とお菓子は何倍もおいしく、そして贅沢を感じるひと時だ。
スポーツに最適なこの季節だが、終わった後に待ち受けるのは……。
そんな心満たされる清滝サイクリングだが、帰ってからが大変だ。久しぶりの長距離サイクリング。翌日から待っているのは痛―い筋肉痛だ。その痛さを少しでも和らげるために欠かせないのが、丁寧に全身をマッサージしてあげることだ。いろいろなマッサージ器具が出ているが、最近見つけたお手軽なコロコロローラーがなんとも気持ちがよかったので紹介したいと思う。
その名もコロコロ9（￥1,200・税別／ニシカワ）。手のひら型のボディに9個のローラーがついている。このローラー、何がほかと違うかというと手のひらでつかむようにマッサージすることができ、腕や足だけでなく背中やヒップ、ウエストなどあらゆる場所にフィットすることだ。9個もローラーがついているので一度で広い面がマッサージできるのもいい。
これをつけて軽く肩をもんだりすると「おーーー」とうなってしまう快感が訪れる。顔のシェイプアップは、有名な「ReFa」の美顔ローラーを妻から借りて行うが、全身マッサージはコロコロ9の手のひらで掴んでマッサージするというフィット感がたまらない。まさに病みつきの気持ちよさだ。
スポーツの秋だけでなく、読書をしたり映画を観て楽しむ方も多いだろう。そしてふと気づくと襲われる肩凝りにもコロコロ9は最適だ。夏のクーラー漬けのために滞った血流によって引き起こされる筋肉の凝りをもみほぐすのにもいい。秋の夜長、爽やかな夜風を受けながらコロコロしながら過ごすのもまた気持ちがいいものだ。
文・写真／楠井祐介