チョコを食べるとニキビができるって、まだ信じてるの~!?
ローティーンだった頃。「チョコレートを食べるとニキビができる」と、周囲の大人に言われたりした。が、私はその頃からドライ肌だったため、どんなにチョコレートを食べようともニキビに悩まされることはなかった。体重の増加には困らされたけど……。だから、チョコレートやナッツを食べるとニキビができる! と言われてもピンとこなかった。
ライターの仕事を始めてからも、ニキビやオイリー肌に関する悩みには無関係。記事のために皮膚科医をはじめとする専門家に取材していても、ニキビやオイリー肌のことは、あまり関心はなかった。でも、あいかわらず「チョコレートやナッツはニキビの原因になる」説が広まっていて、驚く。
食べ物より、肌の環境がニキビの原因。
以前、ニキビはティーンの肌悩みとされていたが、“大人のニキビ”を追究したビューティサイエンティストの岡部美代治氏に話を伺った。ちょうどおやつどきだったので、カカオ80%含有のチョコレートをいただきながら(笑)。そもそも、ニキビって?
アルビオン在籍中からさまざまな女性誌や美容誌で、科学的な知識に基づく的確でわかりやすいアドバイスが話題に。美容に携わる編集者やライターの厚い信頼を得て、取材に講演に人気。美容情報を発信する「ビューティサイエンスの庭」を運営。
「ニキビは毛穴に発生する炎症で、過剰な皮脂分泌とアクネ菌による皮脂の分解物である遊離脂肪酸が皮膚に入ることが原因です。つまり、皮脂分泌が盛んだと毛穴に皮脂が詰まってふさがることでアクネ菌が増殖。そして、炎症を起こす遊離脂肪酸が作り出されることが、ニキビのきっかけに。だから、チョコレートやナッツが直接の原因というのは、違うんじゃないかと思います」。
さらに、岡部さんは、「チョコレートの脂はドロドロッと硬めだから、そのイメージから毛穴あたりで固まってニキビになると思われたんじゃないかなぁ」と続けた。
そして、「ナッツもイメージの影響だと思う。ま、食べ物の良し悪しには流行りすたりがあって、チョコレートがニキビの原因と言われたかと思えば、同じカカオを原材料とするココアが体にいいって売り切れになったり。15年くらい前からビタミンEを含有しているからとアーモンドを摂るのが流行ったり」。
過ぎたるは……。バランスのいい食生活とストレスに負けない毎日を続けられたら、大人のニキビとも無縁かも。
ともあれ、チョコレートやナッツとニキビの因果関係はなし!?
「適度に食べているなら問題ないでしょう。何でも“過ぎたるは及ばざるがごとし”ってこと。おいしいチョコレートだってビタミンEを含んでいるアーモンドも食べ過ぎたら、肌や体に悪影響を及ぼす可能性がある」
つまり、チョコレートやナッツを食べるとニキビができるのではなく、チョコレートやナッツを食べ過ぎるとニキビの原因になりかねないってことなのだ。
そして、「10代の頃にできるニキビはTゾーン中心にできるけど、あごや髪の生え際などフェイスラインにかけてできやすい大人のニキビ。こちらはストレスやホルモン分泌のバランスの乱れなども原因です。ティーンのニキビも大人のニキビも、時間はかかるけれど必ず治ります!! 間違ったスキンケアやバランスの偏った食生活などを見直して、必要とあれば皮膚科医に相談すること。そうすれば、ニキビに悩まされなくなりますよ」。
禁欲的にチョコレートをガマンしても、それがストレスになってニキビ出現につながるかもしれない。ほどほどを心がけて、ニキビに悩まされない美肌を目指そう。
取材・文/N・ピギー