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MAKEUP】【COLUMN

2020.02.03

<きれいの舞台裏>衝撃爆発! 話題沸騰!レディー・ガガの“アニメメイク”の生みの親 メイクアップアーティスト yUKIさん(前編)

美のプロだからこそ知る、きれいの裏側をのぞく好評連載。今回登場いただくのはメイクアップアーティストとして日本のみならず、海外のステージでも活躍するyUKIさん

数多くの海外コレクションのバックステージや海外アーティストのメイクを担当し、そのハイセンスでエッジの効いたメイクアップと親しみやすく朗らかな人柄で業界内外に多くのファンを抱えています。

ファッションが好き、カルチャーが好きという想いでスタートした海外生活から世界的アーティスト、レディー・ガガさんのあの衝撃のアニメメイクが生まれた舞台裏まで、前編ではyUKIさんの美容人生に迫ります!

yUKI(ユキ)さん メイクアップアーティスト。パリのメイクスクール「クリスチャンシュボー」で学び、卒業後はパリ、ロンドン、N.Yなどで活動。数々の海外メゾンのコレクションやモード誌の撮影を経験し、1998年に帰国。以降、日本をベースに活動し、海外セレブリティやアーティストが来日したときはメイクの指名を受けるほど、卓越した技術とセンスに各分野のプロフェッショナルたちから絶大な信頼を集めている。2009年、多くの女性をきれいにしたいと「yUKI TAKESHIMA」を立ち上げ、「yUKI Brush」「BISOU」を展開。
yUKI(ユキ)さん メイクアップアーティスト。パリのメイクスクール「クリスチャンシュボー」で学び、卒業後はパリ、ロンドン、N.Yなどで活動。数々の海外メゾンのコレクションやモード誌の撮影を経験し、1998年に帰国。以降、日本をベースに活動し、海外セレブリティやアーティストが来日したときはメイクの指名を受けるほど、卓越した技術とセンスに各分野のプロフェッショナルたちから絶大な信頼を集めている。2009年、多くの女性をきれいにしたいと「yUKI TAKESHIMA」を立ち上げ、「yUKI Brush」「BISOU」を展開。

フォトグラファーの彼と出会ってパリで暮らし始めた25歳。

――なぜ、メイクアップの道へ?

「20代の頃はとにかく海外のファションや音楽、カルチャーが好きだったんですね。特にイギリスが大好きでロンドンには何度も足を運びました。そうしているうち、25歳の頃にパリを拠点にフォトグラファーをしている彼と出会ってパリで暮らし始めたんです。

ロンドンはね、大好きな街ですが、当時の私にはパリの方が合っていたかな。もともと趣味でメイクが好きで、学生時代は友達にメイクをしてあげたりしていたのですが、最初は彼の作品撮りを手伝うところからはじまりました」

メイクって面白い!楽しい!という気持ちが私の原点。

――職業にしよう!という気持ちは当初はなかった?

「そうですね。それよりもメイクが好きという気持ちのほうが強かったですね。今思うと、子どもの頃にバレエを習っていたのですが、そこで着る衣装よりもメイクに興味があったんですね。

私の母はメイクがとても上手な人で、バレエの発表会前は私のバレエの友人みんなにメイクしてあげていました。母の横でそれを見るのが大好きだったんです。子どもながらにメイクって面白い!って。そのときの楽しいという気持ちが私の原点かもしれません。

海外の人たちは本当にそれぞれ自由な発想で生きていて、撮影の現場を手伝っていながらその空気に触れることで“好きなことを仕事にしていいんだ”と気づかせてもらえて。

そこからメイクスクールに通って本格的に勉強をスタートしました。スクール時代はスペインのリゾート地でサーカスやステージのメイク実習やコレクションのバックステージに入るなど、実践的でユニークな内容が多くてとても楽しかった。ますますメイクが好きになった時期でした」

ピーター・リンドバーグとパット・マグラスとの出会いは幸運でした。

――海外で活動して実感したことは?

「“あなたはどう思うのか”と常に意見が求められますね。メイクスクール時代にパリコレでニナリッチのショーに入らせていただく機会があったのですが、そこでも『あなたの思ったことをやってみなさい』と言われるんです。え、私まだなんの経験もないのに!?って。パリコレはフランスの国を挙げてのセレモニー。そんな大事な場でこんな若い子にも意見も求めてくる。自立心のようなものが培われたと感じます。

そして何より海外の人は垣根がない。仕事の現場だけでなくプライベートでも常にウェルカムです。例えば、ホームパーティに呼ばれていくと色々な職業や国籍、年齢の人との出会いの機会が多く、本当に恵まれていました。

卒業後は少しずつメイクの現場に入らせてもらい、幸運にもたまたま呼んでもらえたのが写真家のピーター・リンドバーグさんの撮影。そこで私の師匠となるメイクアップアーティストのパット・マグラスと出会い、彼女が手がけるあまりにも美しいベースメイクにハッとさせられました。

イメージソースとなる写真集などなんでも彼女は持って出かけるんです。いつ、どこで、何があってもいいようにと。今のようにスマートフォンで写メを撮っておくこともできない時代でしたから。メイクの技術だけでなく仕事への向き合い方も彼女からは多くのことを学びました」

メイクを楽しむ女性がもっともっと増えたらうれしい。

――肌づくりには、透け感へのこだわりが?

「はい。その当時のモデルやパリジェンヌ達から学びました。その人がもつ肌を最大限に生かして、もとから肌がきれいな人に見えるようなメイクをするんですね。ブラシで薄くベールをかけるようにしてシアーな肌をつくっていくんです。

日本の女性たちにもぜひ知ってもらいたくて2009年にブラシのブランド「yUKI Brush」を立ち上げました。最初にプロユースのブラシをつくり、プロのメイクアーティストの方たちに使ってもらうことでその良さが多くの女性にも伝わってほしいなと。そしてメイクを楽しむ女性がもっともっと増えたらうれしいですね」

広島県熊野町の筆職人・竹森鉄舟氏とともにつくり上げたyUKIさんのこだわりが詰まったメイクブラシ。グリーンがアイメイク、ピンクがファンデーションやコンシーラー、オレンジがチークやアイブロー、リップに分かれている。柔らかい弾力のある毛質は肌あたりもやさしく秀逸。

いちばん苦労したというのがアイシャドウブラシの010。ブラシの先端を先細につくりあげることが大変だったそう。そのこだわりのおかげで目もとのシャープなラインを描いたり、柔らかくぼかすこともできる逸品が誕生。

一般女性向けにブラシの柄を短くし、気軽に使えるようにつくったプティシリーズ。こちらはデザイナーとして幅広く活躍する三浦大地氏とのコラボブラシセット。ブラシの柄とブラシケースにメイクを楽しむキュートな女性が描かれている。

ガガさんは本当に懐の深い、人としてもアーティストとしても尊敬できる方。

――yUKIさんといえば、2011年のレディー・ガガさんの目の上に目を描いた「アニメメイク」が印象的です。

「自分の中でもとても印象深い仕事でしたし、すごくプレッシャーを感じた現場でしたね。MTVが東日本大震災の復興支援のために開催した被災地支援イベントだったのですが、ガガさん自身も日本のアーティストたちと仕事がしたいと言ってくれ、日本の素晴らしさを世界に発信したいという考えから、私のほかにも衣装のスタイリングに呼ばれたのが日本人のデザイナーでした。日本を応援するためにと新しいメンバーと仕事をする柔軟さ、ガガさんは本当に懐の深い、人としてもアーティストとしても尊敬できる方ですね。

あのメイクは『キティちゃんになりたい』って言うガガさんのリクエストから生まれたアニメを意識した作品でした。それを当日、ガガさんと周囲のスタッフに提案し、採用されるかドキドキしながら控え室で待って……」

プロフェッショナルの仕事とはこういうものだと間近で体感。

――待ち時間があるとは。緊張しますね!

「アメリカ本国からもガガさんのメイクを担当しているアーティストが来ていましたし、海外では提案が受け入れられないと『今日はなし、帰っていいよ』ということは珍しくないんですね。もう、待っている間は生きた心地がしませんでした。そして1時間近くたった頃でしょうか、『オーケー、このメイクで』と言われたときは本当にうれしかったですね。目を閉じたときだけでなく目を開けてもカッコよくきれいに見えるよう、ガガさんと相談しながら完成させました。

ライブが終わってからの会見でも、あのメイクだからサングラスをパッとはずしてという演出は彼女からの提案。すごいですよね、メイクに合わせて魅せ方まで考えてくれる。プロフェッショナルの仕事とはこういうものだと間近で体感させてもらいました。貴重な経験でしたし、あのメイクを今でも覚えていてくれている方が多くて本当に感謝しています」

肌の質感が軽やかだと、遊びのあるメイクもより映えるもの。

――エッジの効いたメイクを楽しむ秘訣とは?

「やっぱり美しいベースがあってこそ。肌の質感が軽やかに決まっていると、遊びのあるメイクもより映えますよね。厚ぼったい肌ではどうしても重たい印象を受けてしまいます。

そのため、おすすめは先ほどお話ししたメイクブラシでファンデーションをのせること。ブラシはできるだけ天然の素材のものを。天然のものはキューティクルに覆われているので、ファンデーションを吸い込みすぎず、少量をスッと肌にのび広げてくれます。元の肌質を透けさせ、使いこなすのも簡単。

ぜひ試してほしいのが肌の気になる部分にテクスチャーの柔らかいコンシーラーをトントンとのせ、ブラシでササッと広げるベースメイク。テクニック要らずで自然なツヤを帯びた肌が叶いますよ」

毛先の艶出しカットとキューティクル加工でファンデーションをのせるのに使いやすく工夫がされた人工筆のSAKURA FUDE 205 ファンデーションブラシ(手前)と208 コンシーラーブラシ(奥)。

ファンデーションとしても使える持ち運びやすいスティック状のコンシーラー、「BISOU」のエンハンシングスティックはアンバーとクリスタル、エメラルドグリーンの石の名前がついた3色を展開。
ファンデーションとしても使える持ち運びやすいスティック状のコンシーラー、「BISOU」のエンハンシングスティックはアンバーとクリスタル、エメラルドグリーンの石の名前がついた3色を展開。

世界のセレブリティを納得させるyUKIさんの美しい肌づくりとプレイフルなメイク。少しでも取り入れたいものです。まずはブラシでのメイクアップからはじめてみてはいかがでしょう?

 

明日更新の後編では、yUKIさんが手放せないというお気に入りコスメから、あの大人気セレブのメイクまでたっぷりとお届けします!

 

撮影/国府田利光 取材・文/杉浦凛子

取材協力/私立珈琲小学校 代官山校舎 渋谷区鶯谷町12-6 LOKOビル1F

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