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MAKEUP】【COLUMN

2019.12.26

ばっちりメイクで巻き髪が定番女優を初対面ですっぴん風メイクに! 正直、逃げ出したい現場でした。ヘア&メイクアップアーティスト 岡田知子さん(前編)

美のプロだからこそ知る、きれいの裏側をのぞく好評連載。今回ご登場いただくのは人気ヘアメイクアップアーティストの岡田知子さん。

どんな顔も一瞬で“洒落顔”に。色と質感の魔術師とも言える岡田さんは、まさにメイクで新たなトレンドを生み出す天才。表面的ではない、女性が持つ芯の美しさが投影されたメイクは、いつ見てもハッと心を奪われるものばかりです。

おしゃれ女子が今いちばんメイクされたいアーティストと呼び声高い岡田さんに、前編では、撮影現場での丸秘エピソードや今すぐマネできるメイクテクをお聞きしました!

大学で舞台演出を学びつつも、突き詰めすぎてメイクの道に。

岡田知子(おかだ・ともこ)さん ヘア&メイクアップアーティスト。
日本大学芸術学部に入学後、メイクスクールを経て、NYへ渡米。数々のコレクションに参加し、2006年より日本に拠点を移し活動。コレクションをはじめ、多くのファッション誌や美容雑誌、広告を手がける。色と質感にこだわったトレンド感溢れるメイクで、スタイルのあるお洒落な女性像をつくり上げる天才。
岡田知子(おかだ・ともこ)さん ヘア&メイクアップアーティスト。 日本大学芸術学部に入学後、メイクスクールを経て、NYへ渡米。数々のコレクションに参加し、2006年より日本に拠点を移し活動。コレクションをはじめ、多くのファッション誌や美容雑誌、広告を手がける。色と質感にこだわったトレンド感溢れるメイクで、スタイルのあるお洒落な女性像をつくり上げる天才。

――なぜ、美容の道に進んだのですか?

「もともとは芸術系の大学で舞台演出の勉強をしていました。演出している中で、“どうしたらもっと役に近づけるんだろう?”と思うことが多く、メイクや衣装など、外見を変えることが実は一番手っ取り早いのかなと思ったんです。自分が役者にメイクできればと思い、そこでメイクの専門学校に行こうと、Wスクールです。でもやりはじめたら、一気にそっちにハマってしまって。“あれ? これ仕事にしたいかも!”と思い、そこからヘアメイクになろうと決めました」

TV局のメイクを辞め、25歳で単身渡米。

――N.Y.でメイクの勉強をしたと聞きました。きっかけは?

「メイク専門学校を卒業後、ご縁あってTV局のヘアメイクの仕事をしていました。でも、自分がやりたいこととのズレをすごく感じて‥‥‥。本来は舞台が好きな人間で、ファッションも好き。舞台のLIVE感が好きな自分に、なにが一番フィットするんだろうと考えた時、コレクションが思い浮かんだんです。それなら『N.Y.に行こう!』って。TV局の仕事を辞め、お金を貯めて単身渡米、25歳のときでした」

きっかけは老人ホーム!? 憧れのNYでコレクションに参加。

――N.Y.ではどんな活動を?

「3つ目標がありました。①語学 ②コレクション参加 ③憧れのメイクさんにつくこと。これを果たすためにどうしたらいいか逆算し、超大手事務所に飛び込み営業をしたり、分刻みでいろいろな人に会ったりと、今思えばすごい行動力でしたね。

そんななか、老人ホームでおばあちゃんやおじいちゃんにメイクをして、写真を撮るボランティアがあり参加させてもらったんです。そこで出会ったのが今、日本でも大活躍されているメイクアップアーティストの松井里加さん。それがきっかけで、N.Y.のコレクションに呼んでもらい、どんどん世界が広がっていきました。

そしてN.Y.でも日本でも数々のコレクションに携わるようになり、日米を行き来する生活が4年ほど続きました。30歳のときに今後のあり方を考え、日本を拠点にやっていこうと決め、今に至ります」

モデルさんや女優さんを、どういう人物像にしたいか…ストーリーを考えながらメイクする。

――岡田さんのメイクのこだわりは?

「その人が“透けて見える”こと。どんな流行色も、どんな突飛な色でも、その人がまとって、とても自然であることが大事です。“お洒落=スタイル”だと思っているので、スタイルが確立している女性像をメイクでつくりたい。

舞台演出をしていた時から、自分の根っこには“人物をつくる”というベースがあります。どんな小さな撮影でも、そのモデルさんや女優さんを、どういう人物像にもっていきたいか、ストーリーを考えながらメイクするようにしています。スタイルのある顔をつくるのがゴールで、それが色使いや肌の質感づくりにつながっているのかなと」

憧れの人のメイクをマネするのが、なりたい自分になる近道。

――私たち一般女性は、どんなメイクでスタイルのある顔になれますか?

「自分が好きなスタイルを持っている人のマネをするのがいいですよ。どんなメイクをしたいかというより、どんな人が好きか。その人がしているメイクをマネするのが、自分の理想に近づく一番の近道。その過程で、自分では絶対に選ばないようなアイシャドウやリップの色に出合えたりもするから。

雑誌に載ってるメイクも、トータルで考えられているメイクだから、まるごとマネするのがいい。そこで使われているコスメ一式を揃えてみるとか。でもお金がかかってしまうので、似た色味をプチプラで揃えてみるのもいいですしね」

しっかりメイクの女優さんをすっぴん風に。現場は超ピリピリムード……。

――今までの撮影現場で苦労したことは?

「ある雑誌の撮影で、初対面の女優さんをすっぴん風メイクにする企画があったんです。でもその女優さん、常にアイメイクはバッチリ、お肌もつくり込んでいてしかも巻き髪。とてもすっぴんのイメージはない方でした。初対面のヘアメイクが、その姿をくずしていくわけですから、その女優さんは相当ナイーブになっていました。しかも東日本大地震の直後だったこともあり、みんな気持ちがナーバスになっていて、現場はピリピリムード。どう説得しようかって。正直、逃げ出したかったですね」

ベースメイクだけでも、顔の価値は上げられる。

――聞いてるだけで胃が痛い……。

「でも、すっぴんに見せるためのハイライトやローライトの使いこなしや、素眉っぽさを表現するテクニックを駆使して、彼女の新たな一面を引き出すことができました。ベースメイクだけでその人の価値を上げることができるんだなって、私自身も発見があり、その後もその女優さんからお声をかけていただいたりと、結果としてすごくいいお仕事でしたね。

また、現場でよくあるのは肌トラブル。ニキビやむくみ、お顔の腫れ、いろいろなことがありますよ」

高機能美容ギアで頑固なむくみやほうれい線も、一瞬でなかったことに!

――そういった肌トラブルには、どんな対処をしますか?

「乾燥肌は、スチーマーとローションパックでスキンケア。むくみには、最近は美容ギアのセルキュア4T Plus(ベレガ)を使って、顔の下から上に向かってひたすら流す。顔がむくんでいるとどうしても顔に使いたくなるのですが、やっぱり耳下腺を流すのが大事。耳下腺から鎖骨に沿ってギアを動かします。

さらに、ほうれい線にピンポイトで当てるのも◎。筋肉運動した後のパンプアップした状態になるので肌がピンっと張って、ほうれい線が目立ちにくくなります」

セルキュア4T Plusはメイク前のむくみ取りに大活躍。気になるほうれい線もピンポイントで狙い撃ち。リフトアップしてシワもカバー。

撮影現場でも大人気というセルキュア4T Plus(ベレガ)とエレクトロン エブリワン デンキバリブラシ(GMコーポレーション)。
撮影現場でも大人気というセルキュア4T Plus(ベレガ)とエレクトロン エブリワン デンキバリブラシ(GMコーポレーション)。

デンキバリブラシでの頭皮ケアも、撮影現場で喜ばれます。

――ほかにおすすめの美容ギアでのケアはありますか?

「デンキバリブラシで頭皮マッサージするのも、ベースメイク前にはマスト。頭皮と顔の肌は一枚皮でつながっているので、頭皮をほぐすとメイクのノリが変わります。こういったギアがない場合は、自分でヘアブラシでブラッシングをしたり、ハンドマッサージもいいですね。頭がかち割れるんじゃないかってくらいの強さでほぐしてください。血行が良くなり、お顔もリフトアップしますよ」

顔のリフトアップにはとにかく頭皮をほぐすこと。デンキバリブラシでマッサージしたり、強い力で頭皮を指圧すると、メイクのノリも格段に変わる。

 

スタイルがあるカッコいい女性をメイクでつくり出す岡田さん。その姿こそ、まさにスタイルのある女性の代表といえます。

きどらず、自然体で朗らか。なのに、1本筋の通ったその生き方はあっぱれ!

後編では、岡田知子さんの偏愛コスメや、若見えメイクテクニックをたっぷりお話しいただきます。お楽しみに!

 

撮影/国府田利光 取材・文/井上幸子