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COLUMN】【Inner Care

2020.07.10

合法の脳内麻薬は笑いで作れる。でも、作り笑いではダメ

脳内麻薬「エンドルフィン」の作り方。

幸せ感を高め、ストレスを軽減することで美容にも効果があるとされる、注目のホルモン、脳内麻薬「エンドルフィン」はどうしたら作り出せるのか? 笑活ドクター 阪本亮先生に教えていただきます。

阪本亮(さかもと・りょう)さん 近畿大学医学部内科学教室心療内科部門助教 大阪府生まれ。近畿大学大学院修了、博士。専門は心身医学、緩和医療学。「笑い」が身体的・心理的に与える影響について研究をする。
阪本亮(さかもと・りょう)さん 近畿大学医学部内科学教室心療内科部門助教 大阪府生まれ。近畿大学大学院修了、博士。専門は心身医学、緩和医療学。「笑い」が身体的・心理的に与える影響について研究をする。

――免疫力アップ、ストレスの軽減、痛みや緊張、不安感、イライラの軽減、血圧を下げ、心身を健康に導くというホルモン「エンドルフィン」はどうしたら作り出せるのでしょう?

「『ランナーズハイ』と言ってランニングを長時間している人が苦しさを通り越すと、ものすごい快感があるといいますが、それがエンドルフィンが出ている状況と考えられます。このように、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を長時間(40分から50分以上)続けること、そして笑うことでもエンドルフィンは分泌されます。

――一定時間の有酸素運動なら、すぐに実行でき、健康や美容にも良いですね。「笑い」にもいろいろありますが、先生が推奨する「笑活」を含めて教えてください!

『作り笑い』は、あまり効果がないことが実験や研究でも証明されています。また、ブラックジョークや人を貶(おとし)めて笑うことは、本人は楽しくても、相手のことを考えるとおススメできませんね。

私は大阪人ですので、たまに『M-1』や『水曜日のダウンタウン』などを観て、大笑いしてます。テレビを観る時は、一人より誰かと一緒に観るほうがより多幸感が高まると言われています。楽しいこと、嬉しいことは誰かと共有すると倍増しますよね。

また、どんなに面白い、楽しいことがあっても、怒ったりイライラしていると心の底から笑えないので、私は気持ちをいつも落ち着け、イライラや怒りのループに陥らないように気を付けています」

挨拶、ボランティア……笑顔になるチャンスは日常にあふれている!

――大勢の人と集うことが難しい今、一人暮らしだと数日間誰とも会話すらしない、という人もいますが……。

「たしかに『そんなこと言うても、ひきこもりやねん!』という人もいるでしょう。そんな人でも買い物でレジの人と笑顔で『ありがとう』と言葉を交わしたり、すれ違ったご近所さんと挨拶をするだけでも自然と笑顔になり、エンドルフィン分泌の助けになるはずです。

また、海外では『向社会的行動』と言われるボランティア活動が、日本より広く行われています。人は一人では生きていけません。他者を助けたり、励ましたりすることで感謝されると、ポジティブな交流が生まれ、そこには自然と笑顔がついてくるでしょう。

孤独を感じたり、ネガティブな気持ちが襲ってきそうなときは、散歩に出たり、友人と電話をしたり、困っている人に声をかけてみたり…誰かと触れ合うことを意識してみてください。

『笑い』は難しいものではありません。今こそ、『笑い』で元気とキレイを手に入れましょう!」

 

ここを深掘り!

「脳内麻薬 エンドルフィン」を分泌させる「笑い」。思いやりの気持ちから笑顔が生まれ、ポジティブな会話からは自然と「笑い」が溢れます。「笑い」は神様が与えてくれた素晴らしい贈り物。もっと大切にしていきたいと思いました。

 

写真提供・取材・文/三尋木志保