みなさん、こんにちは。
大竹稽がお送りする「禅の美容室」。
ラグビーワールドカップ。猛烈に盛り上がりましたね。わたしの知人の多くもラグビーファンになりましたが、彼らが注目する理由の一つが、選手たちの精神性。
もちろん、どのスポーツにも精神性が問われますが、それが顕著に現れるのが、ラグビーなのでしょう。イギリスのみならず、世界でラグビーが青少年の教育現場で推奨される理由ですね。
浜松市の健康寿命は抜群のトップ
健康寿命。こんな言葉を聞いたことがあると思います。
で、一つ問題を。
寿命と健康寿命って、どう違うんでしょう?
「…………」
はい、その通りです。健康に生活できるまでの期間、それが健康寿命なんですね。
有り体に言えば、自宅でおいしいご飯を食べられる年齢でしょうか。
そんな健康寿命の日本一、それが、浜松市なんです。
ご存知でしたか?
いや、私はまったく知りませんでした。そもそも、なぜ、気候や地理の特徴など特別な「コレ」というものがなさそうな浜松市が、健康寿命日本一なんでしょう?
そうだ!
目に見える「コレ」がないということは、目に見えない「コレ」があるんですね。
そんな「コレ」ってなんでしょう?
それは間違いなく、心の鮮度、心の若さにつながるはずです。
草引きをしてしまう。
「浜松のおばあちゃん、おじいちゃんたちは、確かに元気です。なにより、笑顔がいっぱいです。ここ最近のお葬式でも、九十を超えられた、みなさんが大往生と思われるようなものばかりでした」
やはり!
しかし、元気で笑顔でいられるのは、なぜでしょう?
「まず、無理をしません。みなさん、心に過度な負担をかけません。だから、体が衰えても心は元気なんですね」
しかし、無理をしないといっても、浜松の農家のおばあちゃんたち、なかなか大変な作業を日々していますよね。たとえば、草引きなんて、東京都内のおばあちゃんたちにさせようとしたら、「そんな無理をさせるな!」と大ブーイングがきそうですが……。
「それはですね、「草引きをさせられる」とか「草引きをしなければならない」という気持ちがあるからなんです。強制で無理やり、命令でしぶしぶ草引きをするのなら、きっと、除草剤をまいてしまったほうがてっとり早いでしょう。でも、このあたり(浜松市北区)の農家のおばあちゃんたちは、草引きをさせられるとも、草引きを止めようとも思ったことはないでしょう。それは、毎日、続くことなんです」
草引きを毎日してしまう。
ここがポイントのようですね。
さて、もちろん、みなさんに「明日からレッツ草引き」なんて助言をお贈りしませんよ。
私たち(ま、私は男ですが)にも、草引きに類することがあるのではないでしょうか?
「やらなきゃ」とか、「させられる」ではなく、日々、欠かさずしていること。それが心の鮮度と元気を保つんですね。
ちなみに私は、毎日、一人で本を読むことと、マジで庭の草引きをしています。
さて、方広寺からみなさんへの贈り物はまだ続きます。
次回は「立場」についてお伝えします。
文・写真/大竹稽(思想家、教育家)