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Inner Care】【COLUMN

2019.06.21

感じる心と、感じさせられる心。

みなさん、こんにちは。
大竹稽がお送りする「禅の美容室」。

梅雨ですね。雨が降り続くと、気持ちも曇ってきてしまいがち。

「イライラ、カサカサ」は、お肌のイライラ、お肌のカサカサになってしまいます。

こんな時こそ、「インナービューティー」。禅はそこに力を発揮します。

さて、五月二回目から、横須賀満願寺のご住職、永井宗直和尚に登場していただきます。今回は、「感じる心と、感じさせられる心」。あなたはどちらでしょう?

坐禅をしたことがありますか?

永井和尚の満願寺は、横須賀の岩戸にあります。岩戸は横須賀市内から少し離れた場所でして、お寺の前にある水路では、ゲンジボタルが見られるんですね。6月はじめから中旬まで、ゆらゆらとその光で私たちの心をいやしてくれるそうです。「久里浜観光協会」など、さまざまなメディアで紹介されていますので、みなさんもいかがでしょう?

自然が残る満願寺で坐禅をしていますと、自分の感覚というものを再認識することができます。風の音、小鳥のさえずり、庭の木々の匂い、お線香の匂いなど、ほんとうに多くの「やさしさ」があることに気づきます。

もちろん、私たちの五感は、都会でもしっかりはたらいているはずです。

毎月、一回、東京都港区という都会中の都会、ビジネスのド真ん中の街のお寺で坐禅とフランス思想の会(興味ありましたら「てらてつ」で検索してください)を開いていますが、その参加者さんたちはみなさん一様に、自分の感覚が鋭いことに驚かれます。ゴーゴーとトラックが走り回り、高速道路の騒がしい音の中。そんな中でも、私たちの感覚は、しっかり自然の音を聞き分け、心を落ち着かせてくれます。

感じる心と感じさせられる心。

「現代の私たちは、日々、刺激的なものにとり囲まれています。刺激的な音、味、刺激的なメッセージ、刺激的な夢。そのような刺激によって心はゆり動きます。しかしそれは受動的なもの。一時的に熱狂させられても、それは持続するものではありません。感じさせられる心、熱狂しやすい心は、無気力と隣合わせなんですよ。

いっぽうで、感じる心があります。それは心自らが動いている状態。そんな心は、つねに新鮮で、活発で、そして美しいといれるでしょうね」

 

心の若さというものがあります。ファイトがわきでる情熱的な心。そのような心は、特別な人が特別な訓練をして得られるようなものではありません。だれもが、そのような心を持っているのでしょう。

 

しかし、刺激ばかりに慣れてしまうと、心はにぶくなり、しおれ、果ては干からびてしまうのでしょうね。

 

一日を振り返ってみましょう。あなたは今日、なにを感じましたか? 小さなやさしさに気づきましたか? あたりまえのことなどないという事実に、気づきましたか?

 

いま、ヨガや瞑想、そしてマインドフルネスが流行しています。フレッシュマインドでいるにはどうすればよいか、きっとみなさん気づいているのでしょうね。

 

文・写真/大竹稽(思想家、教育家)