シャンプーの成分で話題の“ノンカチオン”。カチオンって悪者なの!?
ノンシリコン、ボタニカル、オイルシャンプー、ノープー、湯シャン。ここ数年目まぐるしくトレンドが変わるシャンプー市場。そして在宅時間も長い今、自分をケアする時間を持つ人が増えていると聞きます。そこで普段はおざなりになりがちなシャンプーを知り、自分に合ったシャンプーを見つけようではありませんか!
ということで、シャンプーの成分として最近よく聞かれるようになった『ノンカチオン』をクローズアップ。むむ? 何だろう? ということで、シャンプーソムリエの関川忍さんに教えていただきます。
カチオンって一体何者?
「『カチオン』とはプラスイオンを帯びている成分のことです。反対にマイナスイオンを帯びている成分を『アニオン』と言います。
『カチオンは柔軟性があり、静電気を押さえて髪をしなやかにする働きがあり、『アニオン』は洗浄力に優れています。通常、ダメージを受けた髪はマイナスに帯電していると言われ、そこに『カチオン』成分を使用することで磁石のように吸着して髪をケアしてくれるという仕組みです。
つまり『ノンカチオン』にするとプラスを持たないため、トリートメント効果が低く、髪の質感があまり良くないということになってしまいます。地肌はマイナスに帯電しているため、プラスの『カチオン』は非常に過敏な状態には刺激になる可能性もあるかもしれません。ですが、ノンカチオンでは髪はギシギシ。きちんとすすげば何の問題もありません。
『カチオン』は髪をケアするのに大事な必須成分です。決して悪者と思わないでくださいね」
頭皮が敏感で悩みがある人は『ノニオン』系のシャンプーを。
「とはいえ、何を使っても頭皮がかゆくなってしまう、超敏感肌というタイプの方はプラスもマイナスも持たない、『ノニオン』系の洗浄成分を高配合したシャンプーがオススメです。『ノニオン』は本格的なオーガニック系シャンプー剤やニキビ肌の洗顔料などにも使われています。成分としてはラウリルグリコシド、ラウリン酸ポリグリセリル-10などがあり、ヘアサロンの専売品ブランドなどに配合されています。
水に溶けてもイオン化しないため、髪や頭皮に何も残さない素の状態に戻してくれるシャンプーです。かゆみやフケに悩んでしまったら、美容室で相談し、一時期、症状が落ち着くまでこうしたノニオン系に切り替えるといいでしょう」
カチオンは悪者じゃなかったんですね!
シャンプー選びの極意が知りたい。
「季節の変わり目には、今のシャンプーが合っているかを見直しましょう。これからどんどん湿気の多い時期になりますから、まさに見直すタイミングです。そしてオススメは2種類のストック。例えばスカルプ系とアミノ酸系など違うタイプのシャンプーを持っておき、その日の髪や地肌の状態に合わせて選ぶのが理想的。ぜひ試してみてください」
写真提供・取材・文/杉浦凛子