心持ちが自由で、未来に光を感じながら、人生を謳歌している! そんな心地いい人たちが日々行っている、きれいの習慣や気持ちのいい習慣とは?
今回は、自由が丘「ブロカント」店主、松田尚美さんのライフスタイルに注目。後編では午後のきれいの習慣についてうかがいます。
母を見送って、おなかの底まで分かったこと。それは当たり前に感謝する生活。
くるくる表情が変わり、チャーミングという言葉がよく似合う松田尚美さん。しかし、笑顔が戻ってきたのはつい最近だといいます。3年前に実母が倒れて以来、休日は介護の現場に身を置いてきました。看病するほうも、されるほうも、病と闘うことが最優先。ファッションやコスメへの興味が薄れ、身のまわりのことは後回しに。実母を見送ったのは今年初めのことでした。
「今日という日を当たり前に迎えられることが、どんなにありがたいことなのか、おなかの底まで分かったように思います。以前よりも、今ここにいられることに感謝して生活するようになりました」
80代の義母も何かと松田さんを気にかけてくれます。「尚美ちゃんもそろそろね」とこっそり手渡してくれたのが、ナガセスッポン養殖場のスッポン球。続けてみたところ「低体温が改善されて、身体の調子がよくなりました」
そして、一緒に暮らす家族も松田さんの応援団。造園業を営む優しい夫、日々笑いを届けてくれる長男、まだまだ手のかかる次男に支えられながら、新たな一歩を踏み出そうとしている松田さんです。
14:10 笑顔で接客する。
「人と接する仕事なので、なるべく笑顔を心がけています。そのために、自分の機嫌は自分でとるようにしています。当たり前のことを当たり前にできるようにするには、心地よく日々を送ることが大切ですから。お客様の中には買い物だけでなく、おしゃべりを楽しみにくる方もいらっしゃいます。誰かと話すことで元気をもらうことはあると思う。私も自由が丘のご近所さんの店に遊びに行って、元気をもらっています」
じつは、お店を開くなんて思ってもみなかったという松田さん。しかし、接客業を続けていると、学ぶことの多さに気付かされるといいます。
18:45 犬の散歩に行く。
愛犬は写真のオニヴァと、この日はお留守番だったトトの2匹。
「自分のウォーキングも兼ねて、毎晩散歩に行きます。犬同士、愛犬家同士、気が合うことも多いので、私自身も優しい気持ちを分けてもらいます。オニヴァは猟犬のジャックラッセルテリアで、5キロは平気で走ります。性格はアグレッシブ。本能が刺激されるのか、ときどき虫を得意げに捕まえてくるのがちょっと困りものです」
20:00 肌のお手入れをする。
一見、悩みなど感じられない、瑞々しい肌と艶髪の持ち主ですが、
「乾燥・敏感肌で長らく基礎化粧品ジプシーでした。1年ほど前にマナラに出合ってからは、肌が落ち着いて調子がよくなったように思います。左のマナラ オンリー エッセンス モイストはオールインワン美容液、その隣のマナラ ホットクレンジングゲルは美容液成分配合のクレンジング。マナラはシンプルなケアも気に入っています。右二つはヘア用。髪の量が多いのですが、オサジ ヘアオイルやモイ バーム ウォークインフォレストをつけるとしっとり落ち着いてくれます。同世代との会話では、レーザーやプラセンタが話題になることも。私はシワシワになっても大らかに笑っていられる、健やかな女性になれたらいいなと思っています」
気持ちいい人、松田尚美さんから感じたこと。
最近のとっておきは「セロリきゅうり事件」。
なんでも、スーパーのレジでセロリときゅうりの値段を間違えた店員さんが、確認のためにレジと売り場を3往復。それがコントのようにおかしくて、待ちぼうけをくらった松田さんとその店員さん、そして周囲のお客さんも巻き込んで、みんなで大笑いしたのだとか。
「何か起こっても笑い飛ばす。歳をとったのかも? 私は不満より幸せを数えていきたい。庭の花が咲いたとか、子どもが笑ったとか、買い物でおまけしてもらったとか。小さなことにも日々感謝と喜びを感じていられれば、身も心も健やかでいられると思います」
先日、新しいコスメを求めに、朝一番に「THREE 青山」を訪れたそう。
大切な人を失いながらも、自分の機嫌は自分でとるべく、前を向きはじめた松田さん。久しぶりに、鏡の中の自分ときちんと向き合った時間は、きっとかけがえのないものだったことでしょう。
松田さんのお店「BROCANTE」
撮影/松村隆史 取材・文/間中美希子