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SKINCARE】【COLUMN

2020.07.23

「若返り治療」はここまで来た~!

再生医療の現状が気になりはじめて。

ふってわいたようなこの状況に、いろいろなことを急に変えらざるをえなくなった感が強いけれど、勉強になったこともいくつかあります。

例えば準備することの大切さ。マスクやトイレットペーパーが欲しいときに買えない体験をして、備蓄マニアにはなりたくないけれど、何かあっても困らないくらいは備えるべきだなと。そしてふと、エイジングしていく肌のためのベストな備えってなんだろう?と。最近受けられるクリニックが増えてきた再生医療について、アヴェニュー表参道クリニック院長 佐藤卓士先生にうかがいました。

佐藤卓士(さとう・たかし)さん アヴェニュー表参道クリニック院長 日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医 丁寧なカウンセリングと最先端の治療に定評があり、モデルやタレントも数多く通う美容クリニックで、最新の知見と確かな経験をもとに治療にあたる。https://www.a6-clinic.com/
佐藤卓士(さとう・たかし)さん アヴェニュー表参道クリニック院長 日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医 丁寧なカウンセリングと最先端の治療に定評があり、モデルやタレントも数多く通う美容クリニックで、最新の知見と確かな経験をもとに治療にあたる。https://www.a6-clinic.com/
アヴェニュー表参道クリニック
アヴェニュー表参道クリニック

再生医療=若返り治療? そもそも“若返る”ってどういうこと?

病気や事故などで失われた体の機能を回復させるための再生医療。そのひとつである「幹細胞治療」が認可され、2019年に“若返り治療”が可能になったと話題になりました。そもそも“若返る”ってどういうことなのでしょうか。

肌が若々しいと感じるのは、うるおっていてハリや弾力がある状態。それは、肌を構成しているコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質や、ヒアルロン酸などの保湿成分が備わっていることを意味します。これらは皮膚に存在する線維芽細胞が作り出します。加齢によって細胞やこれらの成分が減少すると、シワやたるみ、毛穴が目立ち、うるおいを失います。これらが元に戻り、肌が自らの力でうるおいやハリや弾力が作り出されるようになれば、“若返った”ことになります」。

再生医療は2種、「W-PRP(多血小板血漿)療法」と「幹細胞治療」。

肌の再生医療は、「W-PRP(多血小板血漿)療法」と「幹細胞治療」の2種あるそう。

「『W-PRP(多血小板血漿)療法』は、血液から成長因子を多く含む血小板成分を抽出して活性化し、注射で戻すもの。肌成分を作る線維芽細胞を刺激する成長因子を補うことで、肌を若返らせます。

『幹細胞治療』は細胞を採取し培養して、肌の場合は注射で戻す治療。細胞そのものを補うので、細胞が生きている間はずっと成長因子を出し続けて線維芽細胞を刺激したり、肌のダメージを修復することができるため、若返りに高い期待を持つことができます」

アヴェニュー表参道クリニックではW-PRP (多血小板血漿)療法(¥220,000・税別)、アヴェニューセルクリニックでは幹細胞治療(600,000〜・税別)が受けられます。

幹細胞治療は厚生労働省が認めた、特定認定再生医療等委員会の厳しい審査をクリアした医療機関のみが治療可能。アヴェニューセルクリニックは最新の細胞培養加工室を完備。専任の培養士と医師がしっかり管理、培養している。https://acellclinic.com/index.html

シワやほうれい線、シミがまったくなくなる、というわけではない…。

化粧品では薬機法的に、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を補ったり、再生をサポートしたりすることはできるけれど、再生医療ではこれらを作り出す細胞を再生させてしまう。なんてミラクルな話! では、再生医療を受けたら10歳とか20歳とか若返えるということ?

肌の細胞全部が一気に10年前、20年前の状態になる、というわけではありません。見た目的には5歳くらい若返る感じでしょうか」

また、今目立つシミやシワが完全に消えたり、ほうれい線がなくなったりするわけではないので、「シミやシワ、たるみなどを今よりも目立たなくして肌全体の若返りが期待できますが、部分的に濃いシミはレーザー治療を、深いほうれい線にはヒアルロン酸注射を、眉間の縦シワやおでこの横ジワなどの表情ジワにはボトックス注射も追加で受けた方がよいでしょう」

30代、40代、50代、再生医療とどう付き合う?

再生医療では気になっているシミやシワが全くなくなるわけではない。でも老化した肌を再生してくれて、若々しい肌を取り戻せるのなら、どうつきあうのがいいのでしょう。「例えば、シワが気になるときにボトックスやヒアルロン酸などの薬剤や人工物を注射していたものが、再生医療の場合は自分の細胞を培養したもので治療するので、副作用やアレルギー反応を起こすリスクが低くなります。また、自分の力で元の状態に戻すので、自然なアンチエイジングができます。ただし、これはあくまでも老化した肌を治療する目的で厚生労働省より認可を受けているので、肌がまだ老化してない人に予防目的で治療を受けていただくことは原則できません。もちろんシミやシワやたるみ、毛穴などの加齢性変化が少しでも認められれば、治療を受けていただけます」

なるべく医学的な力を使わずに、年相応よりちょっと若く見える、を目指している私ですが、幹細胞治療なら、究極の自然なエイジングができるのかも! という気持ちに。例えば、30代ならたるみによる毛穴開きを、40代以降ならたるみやシワを治療するために受けてみる、というのもありなのかも? ちょっぴり(いや、かなり)お財布には厳しいですが…。

 

取材・文/河村美枝