スキンケアを中心に長年取材を続けてきた筆者が、自身の実体験から学んだ『フェイスマップ』。内臓も心もすべて顔にサインが出ている⁉ さぁ一緒にあなただけの地図を歩いていきましょう。
紫外線だけでは説明がつかないホクロの謎。
最近、急に顔のホクロが増えちゃって! こんな話をよく耳にします。ホクロはメラニン色素を持つ細胞が増殖したことによりできる良性の皮膚病変。
皮膚科学では、ホクロには先天性のものと後天性のものがあると説明しています。先天性ホクロは、発育の途中で神経になるべき細胞が皮膚内に迷い込んで、それが将来のホクロになるのだそう。後天性のホクロはおもに紫外線をあびすぎたためといわれています。
確かに紫外線をあびすぎてシミやホクロができるのは女性であれば何となく経験的にわかっていると思います。しかし紫外線が一番強く当たるのは顔の高い場所であるはず、鼻筋に真っ先にできてもおかしくないのに、実際には目の周囲やこめかみ、口回りなどに多く見られます。紫外線だけでは説明がつかないと思いませんか?
白砂糖やあぶらっこいものを食べ過ぎるとホクロが増える!
FACEMAPという顔の反射区理論では、ホクロなどの皮膚トラブルを内臓からのサインととらえます。特定の食べものが多すぎるとそれに対応する臓器に影響し、特に砂糖などの糖質、油、動物性タンパク質を摂りすぎると炭素化合物の排泄作用としてホクロが表れると説明しています。
みなさんは足裏に内臓の反射区があることをご存じだと思いますが、実は顔にも内臓の反射区があります。年配の男性では、こめかみに大きく盛り上がったホクロをよく見かけます。こめかみのあたりは胆嚢の反射区で、経絡上でも胆嚢を含む「胆経」の上。胆嚢や胆経とつながっている肝臓に弱まりがあるのでは?と推測することができます。胆嚢は油の処理をする臓器なので、あぶらっこいものの摂りすぎが負担となっている可能性が大きいのです。
また、ホウレイ線など口の周りに急にホクロが増えた、という女性の方を何人か知っています。ホウレイ線は大腸の反射区な。そこにできるホクロは腸の弱まりを反映している可能性があります。特に白砂糖などの糖質を摂り過ぎると、腸の細菌叢にダメージを与えるので気をつけましょう。
食生活の見直しでホクロが薄くなった例も! すぐに除去したい場合は皮膚科専門医に診てもらいましょう。
急にホクロが増えてしまったら、白砂糖や油、動物性タンパク質を摂り過ぎていないか見直してみましょう。これらの摂りすぎをやめ、玄米菜食中心にすることでホクロが目立たなくなった例は少なくありません。私自身も5年前に急にストレスでホクロが増えた時期があったのですが、玄米菜食のおかげなのか、急増したホクロが今は消えてしまっています。私個人の意見では、ホクロは内面からのサインなので安易に取らないで欲しい、ということ。
急にホクロが増えたり、ホクロを取りたいなら、皮膚科を受診するのがいちばんです。
ホクロのほとんどは良性ですが、中には皮膚がんの一種「悪性黒色腫」(メラノーマ)という場合もあり、悪性黒色腫は非常に悪性度が高くて進行が早いそう。そんな病変も診てもらえるので安心ですよね。
文・写真/奈部川貴子