インフルエンザにも効果的⁉　カフェのあのおしゃれドリンク

年末年始は、帰省やさまざまな行事などで人ごみにもまれたり、体が疲れることがなにかと多い。そんなときに最も気をつけたいのが風邪やインフルエンザだ。その対策として有効なのは手洗いやマスクの着用。それは百も承知だ。それがわかっていながらも、どうしてもあのマスクの不快さが苦手だ。

最近はフィット感がいいなど様々な種類のマスクや、マスク用のアロマスプレーがあったりとドラッグストアなどにも数多くのマスク関連アイテムが並んでいる。もちろん、飛行機や新幹線など長時間多くの人がいるところに留まる時はマスクを着用するのだが、普段の生活では着用しない。そこで僕の行っている風邪対策はハーブを利用することだ。

とくにこの季節活躍するのが“エルダーフラワー”。あまり聞きなれない名前のハーブだが、おしゃれなカフェなどに行くとたまにエルダーフラワーのドリンクがあったりする。僕もはじめての出会いはそんなカフェでのエルダーフラワーのシロップをソーダで割ったドリンクだった。

一口飲むとマスカットのような華やかな香りが口いっぱいに広がり、そのおいしさに一瞬にして虜になった。それ以来、エルダーフラワーのコーディアルシロップをよく購入するようになったのだが、基本的には夏場に飲む冷たいおしゃれドリンクという認識でしかなかった。

冬になりエルダーフラワーを飲むこともなくなっていたある日、ハーブ専門店の前を通りかかると“インフルエンザ対策にエルダーフラワー”というポップが立っているのを目にした。なんとこのエルダーフラワー、粘膜をきれいにして呼吸器を整える働きがあるそうで、欧米では古くから風邪やインフルエンザの予防に用いられており、“インフルエンザの特効薬”とまで呼ばれているそうだ。

このほかにも抗アレルギー作用や利尿、発汗などのデトックス作用にも優れるらしい。インフルエンザや風邪の流行の後に続く、花粉症の対策にも効果を発揮するのだ。さらに、デトックス作用に加えてビタミンCも豊富に含まれており、肌荒れや吹き出物の予防改善にも優れるとして化粧品などにもよく使われている。まさに万能薬だ！

ハーブの国イギリスでは、このエルダーフラワーの持つ力をコーディアルシロップとして万人が楽しんでいる。コーディアルとは、ハーブや果物をシロップに漬け込んだ濃縮ドリンクだ。ハーブなどのもつ効果効能のあるエキスを抽出したシロップで、昔は医薬品として用いられていた。

僕がよく購入しているのはエルダーフラワーだけでなく使用されるレモン、砂糖なども有機にこだわった有機コーディアル エルダーフラワー（500ml ￥1,650･税別／ユウキ食品）。これを7～10倍に希釈して飲む。ソーダで割るのが一般的だが、冬はお湯で。お湯で割るとさらに香りが立ち上る。

エルダーフラワーのハーブティーなんてのもおすすめだ。甘い香りはリラックス効果も高く、睡眠前に飲むと手足もぬくもりぐっすりと眠ることができるだろう。ハーブは様々なものを掛け合わせることで相乗効果を発揮するので、ハーブ専門店などに行って相談し、エルダーフラワーをベースにしたオリジナルのハーブティーをブレンドしてもらうのも楽しいかもしれない。

そして最後にもう一つ、最近見つけて今ハマっているのがフランス・ジファール社のエルダーフラワーのリキュール「ジファール フルール･ド･シュロー･ソバージュ」（700ml ￥1,480･税別／コルドンヴェール）だ。

ジファール社は1885年に創業した、品質第一主義を守り続ける家族経営の歴史あるリキュールメーカー。品質の高さ、そのおいしさ、香りの良さから、世界中のバーテンダーに愛用されている。特にこのエルダーフラワーのリキュールは、パリやN.Y.のバーでは欠かせないほどの人気だそうだ。

このリキュールには野生のエルダーフラワーが使われており、華やかなだけでなく力強さもある。ソーダで割ったり、アイスティで割ったりしたカクテルがおすすめだそうだが、僕は食後に少しだけストレートで飲んで、その香りを存分に楽しんでいる。飲み口の華やかさはシロップのほうが素晴らしいが、このリキュールは後口がたまらなくいい。長くその余韻に浸れる。口の中から幸せがあふれ出る感じだ。

ここまでおいしく楽しませてくれるエルダーフラワー。その上、風邪やインフルエンザにも効果を発揮する万能薬。夏だけでなく冬にも欠かせない飲み物になった。

撮影・文／楠井祐介