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Inner Care】【COLUMN

2019.06.07

無心と書いてフレッシュマインドと読む。

みなさん、こんにちは。
大竹稽がお送りする「禅の美容室」。

梅雨の時季ですね。雨が降り続くと、気持ちも曇りがちに。そして「イライラ、カサカサ」して‥‥‥そんな心境はお肌のイライラ、お肌のカサカサにもつながります。

こんな時こそ、「インナービューティ」を心がけましょうね。

さて、五月二回目から、横須賀満願寺のご住職、永井宗直和尚に登場していただいてます。

無心ってなんですか?

前回のお話で紹介しました「フレッシュマインド」。これ、実は、無心という言葉を永井和尚がこのように読み解かれているんですね。

「なぜフレッシュマインドに?」

という疑問に、お答えします。

 

日本の禅はいまや、世界のzenになっています。もはや、zenという日本語は海外の辞典に当たり前のように載っています。フランス語の哲学事典にも、zenは登場します。

日本語をそのまま使った単語はまだまだたくさんありますよね。

禅の言葉たちは、海外の瞑想や食事、武道のシーンですでに多用されています。

そこで出てくる問題が、それらの言葉を、英語でどのように訳すか?

無心をそのまま「mushin」とは訳されません。

「nomind」「mindless」「innocence」などと訳されることが多いです。

 

直訳すると「nomind」なんですが、心がなくなってしまうことと、無心ってどうも違いますよね?
「子供が無心に絵を描いていた」

という時、子供の心はなくなってしまっていのかしら? という問題です。

「無心」と「無邪気 (innocence)」も似ているようで、どうも違います。

「無邪気」には、

罪のない、純真な、という意味がありますが、「無心」にはありません。

フレッシュマインドとして。

では、無心ってどんな状態なのでしょう?

永井和尚はおっしゃいます。

「無心とは、心がないことじゃありませんよ。心から余分な雑念がすっかり抜けきってしまうことです。そうすると、目の前のことが常に新鮮なものとして見られるんです。そのような心の状態が、無心、つまりフレッシュマインドなんですね」

 

目の前にあるものを価値付けし、取捨選択しようとして、心が動けなくなってしまう。あるいは、あれもこれもとすべてやろうとして、心が疲れてしまう。

 

そんなときは、フレッシュマインド。

 

心が停滞したら、現場を離れてリフレッシュしてみましょう。

 

現場を離れて向かうところは、「サードプレイス」。家でもなく仕事場でもない、第三の場所。

 

それが、自然の中でも、公園でも、スポーツジムでもいいと思います。

 

お寺もサードプレイスの役割ができますね。

 

次回は「情熱」についてお話ししましょう。

文・写真/大竹稽(思想家、教育家)