みなさん、こんにちは。
大竹稽がお送りする「禅の美容室」。
さて、前回から、横須賀満願寺のご住職、永井宗直和尚に登場していただいております。お肌のツヤも大事なら、心のツヤも大事です。いつかどこかのドラマで、カサカサの満たされない心を満たそうと、老いや死にあらがい続けていた女性が登場しました。
前回は、「あらがうと心がヨレヨレになる」お話しでしたね。
わくわくを感じていますか?
「拒むことばかりする心は、ヨレヨレになっている。そんな心に、わくわくがないのは、言うまでもないこと。まずは、受け入れる心になろうよ。ダメと思っても、受け入れる。心が若いから受け入れられる、これも一理あるけど、受け入れトライすることで、心は若返りますよ」
かくいう永井和尚の趣味はトライアルというバイク競技。
バイクにあまり興味がないかもしれませんよね……。バイク競技にはいろいろな種目がありますが、もしかしたら、後ろのタイヤだけで岩場を登っている映像、見たことはありませんか?
「アンビリーバボー」と思わず目が点になる(かなり世代が出てしまう表現で、すみません)ライダーたち。サーキットでタイムを競うこともあれば、林道を駈けぬける競技もあれば、岩場の登っていく競技もあるんですよね、バイクって。
さて、前回の「小さな目標」も、「わくわくトライ」も、このトライアルというバイク競技に挑む永井和尚の実体験によるものです。
とはいえ、みなさんにトライアル、やってみませんか……? なんて提案などできるはずはありませんが、なにかに挑戦し続ける人たちの、心の若さはありありと見て取れます。
永井和尚は、禅の修行のポイントを、「フレッシュマインド」と呼んでいらっしゃいます。
「フレッシュマインドになる特効薬なんかはないよ。ただ、あなたの日々の行動が決め手になるんだよ」
と永井和尚。
再三再四、「心のハリは肌のハリ」とお伝えしている(それが美容ですからね)のですが、永井和尚は、もう一歩先に進めます。
「フレッシュマインドには、さらによい効果があります」
フレッシュマインドは共鳴する。
「やる気がやる気を呼ぶんだよね。自分がやる気を出さなければ、だれも応えてくれない。でも、自分がやる気を出せば、必ずそれに応えてくれる人が現れるよ。トライアルでも、『もう自分はダメだ』と思っている人に、良い指導者は出てこない。仕事でもそうだよね。ヨレヨレの心では、若くハリのある心を引き寄せられないよね」
フレッシュマインドはフレッシュマインドを呼ぶ。こうして、フレッシュマインドのサークルができてきます。これを、イジワルと呼ぶなかれ。だって、あなたが即座に「やる!」と決めたら、フレッシュマインドになれるのですから。心の若さの門が閉じていることは決してありません。この門に入るかいなか、それはあなた次第というところ……。
で、このフレッシュマインド。永井和尚の著書『無心のすすめ』で詳しく書かれています。「無心」、興味ありませんか? 無心になれ、無心になれ、とよくはっぱをかけれられますが、どんなもんでしょう、無心って?
さて、六月も、永井和尚の楽しいお話しは続きます。
文・写真/大竹稽(思想家、教育家)