軽やかな髪色で気分一新したい!赤色メラニンと上手に付き合うのが秘訣。
自粛生活も解除…落ち着いたらどこに行こう〜? と考えるのも楽しみのひとつ。でも、まずは美容室でこの髪をなんとかしたい! 髪を切って気分転換するのも素敵ですが、髪色を変えるだけでも新鮮。これからの季節にぴったりのアッシュ系やグレージュ系の涼やかな髪色なら、気分も軽やかに過ごせそう。
とはいえ、こうした寒色系カラーは色持ちが悪く、赤みやオレンジっぽく色が抜けていくのが難点。そこで、人気のヘアブランド「エヌドット」をはじめ、ヘアカラー剤やパーマ剤を作る美容メーカー・ナプラ広報の後藤直樹さんに髪色キープ法をお聞きしました。
あのイヤ〜な赤みの犯人は赤褐色の“ユウメラニン”!
――なぜ、日本人の髪は赤く色褪せてしまうのでしょう?
「髪色を作っているのはメラニン色素というのはご存知ですよね。このメラニン、実は2種類、赤褐色の“ユウメラニン”と黄色の“フェオメラニン”があります。どちらも髪に存在していますが、特に日本人の黒髪にはユウメラニンが、反対に欧米人のブロンドの髪にはフェオメラニンが多いんです。これがまず大きな違いです」
――では、元々の髪色の赤みが出てくるということ?
「そうです。ヘアカラーは、
- アルカリと過酸化水素がメラニンを壊して明るくする
- 染料が酸化して発色し、髪を染める
という仕組みです。メラニンを明るくする段階には、こげ茶→赤→オレンジ→黄色→白とありますが、強いブリーチを行わないと黄色〜白まで明るくはなりません。通常のヘアカラーは赤〜オレンジみが残る程度に明るくして発色させているので、染料が抜けると自然と赤みが出てきてしまいます。しかもアッシュ系などの寒色系の染料はブラウン系に比べて抜けやすいという特徴があります」
ヘアカラー後の数日間は専用シャンプーを使って。
――となると、この赤みはあきらめるしかない?
「いえいえ。褪色を防いで染料を髪にとどめることができれば、赤みも出てきません。それにはやっぱり髪のダメージケアが大切です。スカスカの状態では染料がすぐに流れ出てしまいますから。同時に専用のシャンプー剤をおすすめします」
――普通のシャンプーと何が違うのでしょう?
「カラー毛用として作られている商品には、例えば、プラスとマイナスの両方を含む“両性界面活性剤”と呼ばれる低刺激で褪色を抑える洗浄成分を配合したものや、酸化をサポートして発色を長持ちさせる“ヘマチン”と呼ばれるケア成分を配合したものなど、それなりの工夫を各社行なっています。
単に重いテクスチャーで色艶をしっとり見せるのではなく、きちんと髪色に特化した処方がされていますから、ヘアカラー後の数日間でもぜひ使っていただきたいですね」
――最後にダメージケアについても教えてください。
「まずは洗い流さないトリートメントを習慣に。何を選んだらいいかとよく聞かれますが、髪の補修や保護、ツヤ出しという点ではヘアオイルが万能です。コーティング効果もあるので特にハリコシを出したい髪にもいいですね。
反対にごわつきや硬い髪は水分不足が原因なので、水分と油分の両方を補えるヘアミルクを。柔らかくしっとりと保湿できます」
タオルドライ後、傷みの強い毛先からもみ込むようになじませるのがコツだそう。
次のカラーリングまでに、今は自宅でコツコツとキレイ状態を引き上げて、今年こそ憧れの外国人風の髪色を叶えましょう。
撮影・写真提供・文/杉浦凛子