白髪染めで特有の髪質になってしまうって⁉
髪の分け目こめかみ、生え際など、少し生えてきただけでも気になってしまう白髪。それを隠すべく、白髪染めを繰り返しているうちに、白髪染め特有の髪質になってしまうって、知っていましたか? 髪に悩みを持つ大人女性から大人気の『SHEA.』佐藤幸治さんに、白髪染めの最新事情をお聞きしました。
アルカリ度が強い白髪染めの薬剤は、髪へのダメージも大きい…
――白髪染めを繰り返していると、白髪染め特有の髪質になるって聞いたのですが、本当ですか?
「パサつきやツヤの減少、細毛や髪のうねりなど、髪のお悩みを引き起こす要因のひとつにはなっていると考えられます。白髪染めは、普通のおしゃれ染め(ファッションカラー)に比べて、染めるサイクルが比較的早い傾向にあります。根元の白髪が気になったら染める方が多いので、だいたい3〜4週間に1度の頻度が目安。カラーリングの頻度が高いので、それだけでも髪へのダメージは多いのですが、白髪染めの薬剤自体も、おしゃれ染めの薬剤よりもアルカリ成分が強いため、髪への負担は大きいのです」
――強い薬剤で染めるから、そのぶん髪も傷むということ?
「白い毛を黒く染めるわけですから、そのぶん強い薬剤になります。薬剤に含まれるアルカリ成分は髪の油分を奪ってしまうため、それだけで髪は過乾燥状態になり、ダメージにつながるのです。もちろん加齢によってパサつきやボリュームの減少、うねりなどは進行しますが、白髪染めによる影響も大きいわけです」
白髪をなじませる“ハイライト”が、グレイヘアを素敵に変える!
――そんな事実が…。白髪は気になるけど、白髪染めでパサつくのもイヤ。どうしたらいいんでしょうか?
「白髪染めを使う部分を最小限に抑えるのがおすすめです。そのぶん、“ハイライト”という髪を筋状に明るくするカラーデザインを取り入れてみるのはどうでしょう? ハイライトで髪に縦ラインの明るい筋が入ることで、白髪が自然にぼかされ、なじむのです。根元の白髪だけは白髪染めでしっかり染めて、それ以外の髪は、ふつうのおしゃれ染めと、このハイライトでカラーします。ハイライトで白髪と黒髪がブレンドされると、根元に白髪が生えてきても目立ちにくく、今まで4週間に1度カラーしていたかたでも、6週間に伸ばすことができますよ」
衝撃のBeforeとAfter。根元のみ白髪染めで、それ以外はファッションカラー+ハイライトで施術。髪にツヤと立体感が増し、とっても若々しく見えます。
髪を傷めないためのハイライトカラー、その手があった!
「白髪染めの使用は最小限に抑え、髪にやさしい施術やデザイン提案しているサロンが増えているので、ぜひ探してみてください。また、白髪染めの薬剤自体も、シアバターを配合していたり、オーガニック成分だったり、なるべくダメージレスなものに進化しているので、そういう薬剤を使っているサロンもおすすめです。僕個人も、白髪のお客様でも、白髪染めの薬剤は使わずに、全頭おしゃれ染めの提案もしています。ただ白髪を黒く染めればいいというグレイヘア自体の価値観も、大きく変わってきていますよ」
白髪は暗く染めてカバーするものと考えていましたが、ハイライトでぼかしたり、なじませたりするのも素敵。おまけに髪のダメージも減らせるなら一石二鳥ですね。
写真提供/佐藤幸治 文/井上幸子