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HAIR CARE】【COLUMN

2019.12.06

黒髪に戻すおまじない、塗り薬…白髪は1000年以上前からの女性の悩みだった! 令和の白髪事情を考えよう。

なんのためにスキンケアをして、メイクをするの? 「キレイになるため!」。それなら、なんでキレイになりたいの? 「え!?」 そう思ったみなさんにおすすめの連載コラム。化粧文化研究家の山村博美さんが、キレイをあらゆる角度から紐解きます。

平成の終わりに注目されたグレイヘア。なぜ女性たちの共感を呼んだのか?

ここ数年、白髪染めをやめて自然なままの髪色を生かす「グレイヘア」が話題になっています。最近の女性誌では、「グレイヘア」の特集をすると売り上げがぐんとアップするとか。

このブーム、「若さ=美しさ」「老化=敵」という、これまでの若さ礼賛の考え方に対するアンチテーゼといえるでしょう。

ここ数年話題になった髪に関する本の数々。
ここ数年話題になった髪に関する本の数々。

そして、単に“白髪染めを卒業する”ではなくて、“年齢に抗わない生き方”を選ぶムーブメントとして、若さに価値を置く風潮に疑問を抱いていた女性たちに支持されているのです。

でも、現実にはいいと思っても、なかなか踏み切れませんよね。それもそのはず、白髪は1000年以上も前から、女性にとって不変の悩みなのですから。

昔の女性も悩んだ白髪。宮中の秘伝書には白髪を治すレシピが山盛り!

長い黒髪が美人の条件だった平安時代、984年に朝廷に献上された日本最古の医学書『医心法(いしんぽう)』にも、白髪に関するレシピが何十種類も載っています。

内容は「髪を千回とかせば白髪にならない」といった“まじない的な予防法”から、白髪を抜いた後につけて黒髪を生えさせる“塗り薬”、“白髪を染める薬”、“黒髪になるサプリ”など多種多様! 当時の女性がどれほど黒髪に執着したかがわかります。

それは「髪は女の命」だった江戸時代も同じで、女性たちは油に黒い煤(すす)を練りこんだ白髪染めを使って髪をケアしていました。

「今様七小町 卒塔婆小町」 渓斎英泉画 江戸時代後期 国立国会図書館所蔵
「今様七小町 卒塔婆小町」 渓斎英泉画 江戸時代後期 国立国会図書館所蔵

上の浮世絵には左に黒髪の美女、右上に白髪の老女が描かれています。老女は卒塔婆小町(そとばこまち)。絶世の美女小野小町のなれの果てです。どんな美人にも老いは訪れるという意味を持った浮世絵ですが、当時も白髪は老いの象徴でした。

江戸時代の平均寿命は30~40代。「白髪は冥土(めいど)の使い」ということわざがあるように、白髪は死期が近づいてきたことを知らせるサインでもあったのです。

今や白髪世代が多数派。人生100年時代には、エイジ・ポジティブがキーワードに!

時は移り2018年の日本女性の平均寿命は87.32歳と、過去最高を更新しています。2020年には、なんと女性の2人に1人が50歳以上に! 江戸時代の倍以上に平均寿命が延びた今、「白髪は冥土の使い」どころか、白髪になってからの人生の方が長い時代がやってきました。

ファースト白髪が35歳なら、日本女性の人口分布から計算して、約7割の女性に白髪があることになります。これからは、グレイヘアも個性の表現として受け入れられる社会になるのは間違いありません。

それは日本だけの傾向ではなく世界的な流れで、欧米でも加齢をポジティブに感じようという”エイジ・ポジティブ”が提唱されています。

茶髪ブームの次はグレイヘア。髪色の選択肢はますます広がっています!

日本では、1990年代にコギャルの茶髪がブームになって以降、髪を染める習慣が幅広い世代に広まりました。これを機にヘアカラーの色や品質が進化して、カラー後のヘアケア商品も格段に増えたのです。

同じように、これからはハイライトやローライトで染め分けるなど、従来の白髪のイメージを変える、手をかけた美しいグレイヘアが選択肢に加わるでしょう。それに合わせた白髪用ヘアケア商品ももっと増えるはずです!

オシャレ意識の高い女性ほど、気になる白髪。いずれはグレイヘアと考えている人もそうでない人も、必要なのは、今からしっかり髪をケアしておくこと。

顔の中でいちばん面積を占めている髪は、実はメイク以上に人の第一印象を左右するパーツです。頭皮ケアやマッサージなどを取り入れてヘアケアもおこたりなく、「年を重ねてもキレイな女性」を目指しましょう!

 

写真・文/山村博美