デリケートゾーンのケアはスキンケアと同じでいい。難しいことはまったくありません。
「デリケートゾーンのケアって、特別なことをするのかな、なんだか難しそうだな」なんて心配はご無用! スキンケアの基本と同じ、汚れを落として潤いで満たせばいいだけです。ただ、まさしく“デリケート”な部分なので、いたわる気持ちを持って、優しくケアすることが大切です。
自分のデリケートゾーンがどうなっているか、知っていますか?
「自分のデリケートゾーンがどんな状態か、定期的にチェックするべきです。外陰部のひだに溜まりやすい白い垢、恥垢があったり、トイレットペーパーが残っていたりすることがあり、これがニオイやかぶれの原因になっていることがあるからです」。ケアを始める前に、ちょっと見るのに勇気がいるかもしれませんが、基礎知識としてデリケートゾーン構造をイラストで再確認してみましょう。
顔が人によって違うように、クリトリスや小陰唇、大陰唇の大きさや肉のつき方や色、アンダーヘアの生え方も一人一人違います。
イラスト協力/三宅はつえ
デリケートゾーンのケアは、できるだけ化学物質が使われていないもので。
肌から吸収されて体内に取り込まれる経皮吸収。腕の内側を1とすると、デリケートゾーンは42(参考文献:Feidmann RJ,et al.,J Invest.Dermatol.,48,181-3,1967 男性の陰嚢で取ったデータ。女性にとっての陰嚢部分は陰部にあたる)も吸収されます。「それだけ吸収してしまう部分なので、できるだけ化学的な成分を含まないものでケアすることをおすすめします」。
STEP1<洗う>たっぷりの泡で、指の腹を使って優しく。
「デリケートゾーンを傷つけないように、たっぷりの泡と指の腹で洗います。小陰唇のヒダの部分に残りやすい恥垢を取るようにして。デリケートな部分なので、絶対にこすらないでください。優しくなでるように洗いましょう」。
また、内性器(膣内)を洗浄剤で洗うの避けるべきとも。「膣内はテーデルライン桿菌(かんきん)という乳酸菌の常在菌がpH4前後に保つことで、病原体の進入や増殖を防いでいるのですが、洗浄料で洗うと、この常在菌まで取り除いてしまうからです」。
アンダーヘアがある部分はどう洗えばいいのでしょうか。「ヘアの根本の肌をなでるように洗いましょう。最後に軽く引っぱり、抜ける毛は抜いてしまうと清潔を保てます」
STEP2<潤す>マッサージしながら、優しく保湿。
スキンケアでも洗顔のあと化粧水や乳液などで保湿するように、デリケートゾーンにも保湿が必要。肌が乾いてかゆくなるのと同じく、デリケートゾーンのかゆみも乾燥が原因で起きている場合もあるし、黒ずみなどのケアにも効果的だからです。
洗うときと同じように、外陰部に指の腹で優しくなじませます。「アンダーヘアのあるあたりに恥骨があるのですが、この部分や足の付け根のそけい部も、マッサージするようにつけると、血行が促進して、免疫機能に欠かせないリンパや血管の巡りをよくすることができます」
SPECIAL CARE<オイルパック>オイルをたっぷり含ませた温かなコットンでパック
たつのさんオリジナルのデリケートゾーンのケア方法はアーユルヴェーダをベースにしています。
- 5~7cmくらいにカットしたコットンにたっぷりオイルを含ませて、電子レンジで20秒ほどチン。
- ナプキンなどの上にのせてデリケートゾーンに当て、5〜10分置きます。
血行がよくなり、人体の重要な器官と神経系を通って、内臓の機能や治癒力に必要な要素を与えている「任脈」と「督脈」の流れをよくする会陰部分の巡りをよくすることで(詳しくは第2回を)、かゆみやニオイ、黒ずみを改善するだけでなく、冷えや生理痛も緩和。会陰が柔らかくなることで、頭がクリアになったりリラックスできる効果も。できれば毎日、難しい場合は週末だけでも試してみてください」
さっそくカワムラもトライしてみると、ジワジワっと体の芯から温まる感じ。1週間もしないうちに、いつも足だけ冷えるのが解消されてきました! デリケートゾーンのケアは肌のケアと同じ、手をかければきっと応えてくれる、パートナーのためだけのケアではない、と実感しました。
取材・文/河村美枝 商品撮影/池田 敦(Pile Driver)