令和という新しい時代を迎え、気分を一新したいと思っていたときに出合ったのが、ダウンパフュームのオードパルファムSyrinx<ダウンパフューム>(30ml¥10,500・税別/デュード)でした。発表会で初めてこの香りを知った日から、私のかけがえのないパートナーとなりました。
ギリシャの森に咲く野生の花々と地中海の香りをイメージ。どんなファッションにもマッチするフローラルノート
さて、この「Syrinx」は、レモンやベルガモット、ジャスミンに沈丁花、サンダルウッドに加えて個性的なケールなど、第一印象は穏やかなフローラルノートですが、それだけで終わらないのがミソ。これぞ、画家からパフューマーに転身したという特異なキャリアを持つダウン・M・スペンサー・ヒュウィッツの手腕です。
オリーブの樹をイメージしたOlive Wood、地中海の潮風を連想させる樹木の香りや、海藻が持つ癖のある塩気を演出するSea Weedなど、ダウンのオリジナル香料が散りばめられ、エッジを効かせているのは心憎いばかりです。
私が惚れ込んだのは、ミドルからラストノートにかけての、パウダリーを感じる残り香。トップに際立つフレッシュな花々の香りから、深い鎮静へ誘う香りへと変化していく時間の経過を、愛おしいとまで思わせてくれます。
「記憶」という名の思い込みを手放して新しい自分へ!
ギリシャ神話に登場する自由と平和を象徴する葦笛「シュリンクス・パン」をモチーフに、「記憶の浄化」を表現したという「Syrinx」。昭和、平成と生きてきましたが、ここらで「記憶を浄化」して、新時代を迎えるのもいいかも!?