台湾在住の元雑誌編集者妻とデザイナー夫とその家族(娘2人、猫3匹)が、台湾のビューティ事情と日々の暮らしにとりいれたメイドイン台湾(MIT)コスメをご紹介する当連載(ちなみにタイトルにある美妝はメイクアップ、美容はスキンケアを意)。
次女の発病を機に考えた。
私は今、入院のつきそいのため、病院にいながらこの原稿を書いている。隣で眠るのは次女5歳、病名「マイコプラズマ肺炎」。どうして小さな体を肺炎にまでさせちゃったのか。ここ数日のことを思い返すと反省しかない……。本当に治るのか、いつもの次女が戻ってくるのかと不安の波が次々と押し寄せる日々。
つい先ほど先生が回診に見え、明日退院できることが決まった。やったー! 我が懺悔と、皆様の近くにいる大切な人、遠くにいる大切な人がご無事でありますようにという願いを込めて。第31回と第32回では健康のためのMIT(メイドイン台湾)をご紹介。どちらもこどもが同じ小学校に通うお母さんたちに教えてもらった。
さて今回(第31回)は「金皮油」。咳が出るときに台湾で愛飲されているオイルだ。乾いた喉を潤し、風邪予防や風邪のひき始めには金皮油なのである。
栄養豊富な喉の味方。
台北の東側にある宜蘭で、30㎏の金柑の皮から抽出された油を希釈し、手間暇かけて作られるのが金皮油だ。ビタミンA、B、Cなどのビタミン類に糖類、食物繊維を豊富に含む。甘くて酸味のあるちょっと不思議なクセになる味。それに飲み方が実に多様なのが、台湾的でおもしろいと思う。
例えば、
■平常時:1包を10倍の水かお湯に溶かして飲む。
■喉が冷え痰が絡む風邪:生姜のすりおろしとともに1包を10倍量のお湯に溶かし入れ、熱々のうちに飲む。
■咳あり痰なしの風邪:10倍のお湯に塩少々、金皮油1包を溶かして飲む。
■喉が痛む風邪:金皮油15gと塩少々を口に含みそのままキープし、3分後に飲み込む。1日3回同様に。
他にも声が出ない場合やダイエットしたいときなどにも対応するそうだ。
今回、金皮油のことを思い出して薬箱を覗いてみると、なんと賞味期限が切れていたという残念っぷり。飲むことができていたら、少しは次女の喉は楽になっていたんじゃないかと思う。うーーむ、残念! それだけこのオイルを頼りにしているのかも。
「とにかく水をたくさん飲んでください」「冷たいものを飲むと咳が出ますよ」「背骨の右側と左側をそれぞれ5分ずつ痰が楽になるように手のひらで叩いてあげて」。お医者さんや看護婦さんにたくさんアドバイスをいただいた。退院後には金皮油を取り寄せて、水分たっぷり、温かい飲み物食べ物中心で、背中のマッサージ、これでもう「肺炎にならない、肺炎させない」でしょ!!
(文/MAO IKEDA)
金皮油は(台湾の)ママの味♪
金柑は棗(なつめ)に形が似ていることから、台湾では金色の棗と書いて『金棗』。動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立つビタミンEが豊富。毛細血管の強化や血中コレステロール値の改善効果、血流改善効果、抗アレルギー作用、発ガン抑制作用に効果的なヘスペリジンが多く含まれていて、棗とおなじく健康効果が高いフルーツとして注目されています。
わたしたち日本人にとって金柑は生食やジャム程度のイメージかもしれませんが、台湾では料理にも使います。例えば『冷製鶏肉の金柑ソース添え』。冷たい鶏肉の上に金柑ソースがかかっている非常にシンプルな料理なのですが、(鶏肉も美味しいが豚肉もこれまた美味しい)肉のうまみと金柑の風味とさっぱり感とが折り重なって、箸がすすむ!すすむ!『美味しく健康的に肉を食べる』という金柑の効果を知り尽くした先人の知恵に、ただただ感心してしまいます。
台湾の生活に密着したフルーツ『金柑』。だいたいどのお家にでも『金皮油』が常備されています。『金皮油』はもともと1リットルくらいの瓶に入っているものが主流だったのですが、最近では一回分の袋に入っているものが目立つようになってきてきました。それがこちらの『金皮油隨身包』。
冬の寒いときは、母親がこどものカバンに一袋しのばせて、それをマイボトルに入れお湯に溶かし、少しづつ飲んでは喉を癒すという、子どもの身体を想うお守りがわり的なアイテムと進化してきています。
今年は我が家も風邪の予防や健康対策として購入予定。やっぱり元気が一番ですよね!
(写真・文/Omijika Mame)
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